検索しない時代


考えてみればGoogle(そのちょっと前はYahoo!)は90年代後半から、インターネット上の情報を探す「検索」という重要な領域で世界を制した。

しかし、ユーザが使うメディアが、スマートフォンやiPadに代表されるタブレットに、少しづつ変わりつつある。そうしたメディアでは、機能としては立派なコンピュータなのだが、利用シーンが全く異なる。

そうした中で、iPhone 4Sの発表にあった「Siri」という高度な情報認識処理が現れ、検索ではなく、ずばり必要な情報を提供する事が重要となった。

たまたまTechCrunchというメディアサイトの記事には、レストラン検索における新しい情報提供の形、つまり「ずばり必要な情報を提供する」サービスの記事が載っていた。


これは何を意味しているのか。Alfredをライバル(例えばYelp)と差別化している一つの重要な特徴に、ユーザーの入力を殆ど必要としないことに焦点を絞っていることが上げられる。アプリに自分の好みを伝える初期トレーニングセンションが終わると、Alfredはコーヒー、ランチ、お酒等何であれ、ユーザーがアプリを開いた時に探していると信じるベストの店を推薦する
iOS執事のAlfred、レストランのおすすめは偶然から

つまり、もう「検索しない時代」=探さない時代が来ているという事だ。

自分のある一面について、好みや嗜好といったものを、膨大なデータから計算して、もっとも「ずばり必要な情報」に近いものを「おすすめ(リコメンド)」として提供する。

情報データベースに掲載される側の、サービス提供者にしても、自分の店やサービスの特徴を差別化要因として表現しないといけないし、何より来客者の評判が悪くなったら最悪な結果となる。

そういう意味では、検索した結果に載っているのが重要だった時代は良かった。なぜなら、先の最悪の結果とは、「おすすめ」に載らない、つまり自分の店やサービスが「存在しなくなる」事に等しくなる、からだ。

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透明性の時代の世論操作


ちょっと過激なタイトルだが、政治体制の異なるお隣の国では、情報操作から世論操作を行っている様子が報道されている。

恐らくは、当の国に住んでいる方々は、それが操作された情報とは知らないのであろう。それでも、日本においては情報操作はなく、それによる世論操作もないだろう‥などと思っているが、どうもそうではない様だ。




メールを配信された子会社は4社、少なくとも1500人が閲覧したが、企業の利益のために自らの意思に反する意見を強要されたことに対して、強い反発を感じた社員がいたのは当然のことだろう。情報源となったブロガーの知人は、この件について不快感を表明し、それに共感したブロガーが記事を投稿するにいたった。それを読んだ多くの生活者が二人の心情に共感、放送直前までに1万人以上に伝播していく。
<中略>
この事件を契機とした内部調査の結果、経産省・原子力安全保安院が、別のシンポジウムで中部電力、四国電力にも賛成の声を住民から出させるよう「やらせ」を依頼していたことが発覚。国と業界をあげての原発安全キャンペーンのゆがんだ実態が明らかになりはじめた。
テレビより前にソーシャルメディアが報じていた、九電やらせメール事件

いわゆる、こうした「やらせ」事件が発覚し、住民総意とは何か分からなくなってしまった。日本人は「みんな」という言葉に非常に弱い。そこを突いた巧妙な作戦という事になる。

世論調査でも同様の事が行われている、と思うのは自然だろう。


「A新聞の記者さんから、『代表選で誰に入れるかアンケートに答えてくれ』といわれたので『海江田さんにします』と伝えると、モーレツに“抗議”されましてね。『なんで海江田さんなんですか! あの悪いことをしている小沢が担いでいる人ですよ!』
新聞記者 民主議員に「小沢って悪いことしてるんでしょ!」

いかにも「稚拙」と言わざるを得ない。こうしたメディアの行動は、60年前の大戦争の前にも行われていたであろう、危険な事なのに、単なる経済活動だと勘違いしているという点で恐怖を感じる。

「60年前の大戦争の前」などと書いたが、それを思わせる記事(日弁連による会長声明)も出ている。


この事業においては、「常時モニタリング」すること、さらには、不正確とされる情報等に対して「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導くこと」とされている
原子力等に関する不正確な情報又は不適切な情報に対する常時モニタリングに関する会長声明

モニタリングする事は良い事だとは思うが、正確な情報へ導くとは何を言っているのだろうか?だんだんと恐ろしい事になりはしないか?

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人が想像できることは、必ず人が実現できる


最近、サムソンとアップルの両社の特許紛争において、「類似製品は既にあった。"2001年宇宙の旅"に出ているじゃないか?!」と、かの有名なSF映画の1シーンを題材として提出した、という話が出ています。

海底二万里 (創元SF文庫)という名著で有名なジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)が言ったとされる、冒頭の言葉「人が想像できることは、必ず人が実現できる」は、先端テクノロジに接する我々としては非常に大切な言葉だと思っています。

サムソンの事例を出すまでもなく、実は私もiPadは"2001年宇宙の旅"に遅れること9年だ!と2010年の2月のiPadの発表時に書きました。

先のニュースが出た後に、検索経由で多少のアクセスを頂きましたが、別にサムソンにネタ提供したわけでも何でもありません。本当のイノベーションは「ナレッジパット」であると書きました。

他にSFが先んじて実装した例として、私の子供時代のウルトラセブンに登場するビデオシーバーなんて、夢のようなコミュニケーションツールでした。「かならず人が実現できる」の証左として、「ビデオシーバー - まだ来ぬ21世紀」というエントリを書きました。

そうなんです。私の子供時代の21世紀はまだ来ていないのです‥‥

そんな中、以下のような記事が出ていました。



(C)Bloomberg

この記事は、インテルがSF作家を採用しているというニュース。解説によると、半導体設計の利用シーンとして(例えば)「映画 イーグルアイ」をイメージしたり、といった近未来の具体的利用シーンとしてSF作家の作品を採用していくという話である。

冒頭の言葉通り、まさに「人が想像できることは、必ず人が実現できる」を地で行く話となっている。

我々も技術・製品開発をしていく上で、そうした想像力と技術力(技術洞察力)が必要だと思っています。

また、SF作品をもっと読んだり、見たりしないといけない、とも思いました。

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ハリケーンがTwitterアカウントを持ち、位置情報アプリが避難所を教えてくれる時代


(C)2005-2011 Mashable, Inc.

米国東部を襲っているハリケーン「Irene」がTwitterアカウント「@Irene」を持っているらしい。

実際のTweet(つぶやき)の内容は、位置情報や勢力といったものよりも、ちょっと人間っぽくしているみたいだ。

まぁ、何にしても気になる情報なので、それが集約される形で発信されるのはいいことだ。

「今は八丈島沖50キロにいるよ、八丈島にはあと10時間ぐらいかかるかも」とかツイートすると面白いだろうなぁ。そうすると台風10号「ちゃん」とか呼ばれて‥ちょっと不謹慎かもしれませんね。失礼しました。




(C)2005-2011 Mashable, Inc.

もう1つ面白いと思ったのは、このハリケーンによって必要な情報であろう、避難所の情報を、位置情報アプリ「Foursquare」がサポートするという点だ。

避難所にチェックインしてメイヤーバッチをもらうというのは、さほど嬉しい事ではないだろうが、外出先で避難しないといけない場合には、こうした情報は非常に役に立つだろう。

自宅やホテルなどの滞在場所の近くで災害発生した場合は、まだ運がいい方で、先日の大震災の様に外出先でどこにも逃げられない/逃げ場が分からない人が大半の場合には、こうした情報は非常に役に立ちそう。


今回のネタは、こうした普段使っているツール、汎用的なツールをいかに使って、いざという時に役立てるという、そこがとてもうまい使い方だという事だけなんです。

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本物の現場主義とは? - イノベーションの源泉


(C)TheAsahi Shinbun Company.

なんだかんだ言って、ここ数日ブログを更新している。

技術トレンドとか、技術をキーとしたイノベーションというテーマからは少し離れるが、停滞している雰囲気を払拭する何か「新しい」気づきをメモ代わりに記している。

実は、ほぼ日刊イトイ新聞は非常に歴史が長いのは知っているが、あまり読んではいない。恐らく読者対象の設定外だと思う。

そんな中で、たまたま目にした記事。いわゆる組織論に近いと思うが、真理をスパッっと言われた壮快な感じがした。


木川:そうですね。うちの社訓に、「ヤマトは我なり」ということばがあります。「ひとりひとりが会社の代表である」という意識を持ちなさい、という意味です。
<中略>
木川:現場判断で会社の車を使い、上司の承認も得ず、勝手にことを運ぶ。しかも無償で。これはね、ふつうの会社なら、権限違反なんです。
糸井:そうですよね(笑)。でも、「ヤマトは我なり」であれば‥‥
木川:自己判断でやってしまっていい。やっていいどころか、どんどん自発的に考えてやりなさい、と。とにかく現場主義なんです。
糸井:現場主義。
<中略>
木川:先日も外国からのお客様をご案内したら、「これは別館ですね、本社はどこですか?」と言われてしまいました。
糸井:ちいさいと思われた。
木川:現場に権限を渡しているので、本社はスリムでいいんです。
第2回 ヤマトは我なり。

どうだろうか?「ひとりひとりが会社の代表である」という意識を持て「うちは現場主義です」「現場主義でやれ」、こうした言葉って、私の会社に限らず、何度聞いた事だろうか?と思う人も多いはず。

そう、つまり本物の現場主義とは、こういう社員の行動が「発露」するレベルにある事を指す。そしてそれに対する経営層も「現場を信用」する。それに尽きるわけです。「ひとりひとりが会社の代表であるという意識を持て」という言葉に信用が伴ってないから、浸透しないし伝わりもしない‥そう痛感しました。

このブログはイノベーションをテーマにしているのですが、もう1つイノベーションに繋がる重要な話がその次に書いてありました‥‥

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