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抜群に面白いビジネス書「創刊男の仕事塾」

とにかく面白い、これだけ平易な日本語で共感しながら読めたビジネス書ははじめて。この本もじゃらんとかFrom-A等などの企画と同じく企画したのだろう。
ここまで書くと何の話か分かってしまうが、タイトルにある通りに、この本の話である。

この本は読む程に面白いだけに、ここにポイントを上げる事が種明かしになってしまうが、主観的なポイントをいくつか。

・いい商品を作るためには、ちゃんと生活して自分で一生懸命に消費者をしないとダメ
・人の気持ちから商品は生まれる。だから人の話を聞きまくる。
 マーケティングとは人の気持ちを知る事と知る。それを言葉にする、その言葉をカタチにする。カタチを再び言葉にしてみる。そうした過程が大事
・市場調査とは昨日までの人の行動を数字で知る事。マーケティングは明日からの人の気持ちを言葉で知る事。
・人の意見は身近な人から聞いて、その人数が増える程に頭の中の仮説が修正されていく。
・20代男性とかそういった属性で切ってはダメ
・不満とか不便といった不の付く言葉を徹底的に調べると、それは逆にいい気持ちになっていく。
・つまりマーケティングとは人のイヤな気持ちを知り尽くす事

そこからブレストを通じてカタチを求めるわけですが、やはり背景に「人」がいないと絶対的に弱いわけです。仮説の域を出ない、空虚な議論が展開されるだけ。
空想だけではいいもの作れないわけです。

そうして夢から漠然とカタチが見えてきてからは、リアルなプロジェクトの話になります。つまりお金の話が発生するわけです。理想(世の中をこうしたい)とか社会利益を事業の利益に!というレベルから、もっとリアルに1回/1冊/1個いくら儲かるのか?という世界です。

くらたさんはそれを8つのステップにまとめて解説していて、いくつもプロジェクトの話を自分や他の人と議論してきた自分としては、涙が出る程分かりやすい話なんです。

実は、ロマンばかりのプロジェクトは実績(数字)が追いつかず、苦労に苦労を重ねるとても辛いプロジェクトとなる。
数字しかないプロジェクトはつまらなくてたまらない。長続きさせるには個人的趣味にでも没頭するしかない。
このロマンと数字のバランス、加えて人の想いがプロジェクトでは重要。
人の想いとは、ハングリーなのか?好き者なのか?単に誰かにやらされているのか?つまり1人称なのか複数人称なのか?

かなり語弊がある事を覚悟で、この本を読んだ感想を書くと‥
読んでいて感動的なのは、いわゆる経営戦略本と違って、非常にリアルであるという点だ。つまりこれは何を意味しているかというと、経営戦略本の中でも成功パターンを自伝の様に語る本はリアリティが売りなわけで、それ以外は「理論」という事になる。
また、自身が語らない戦略本、例えば「常勝企業●●の成長シナリオ」といった研究本は、汗が見えないだけに「理論」本に近いだろう。

* * *

実はこうした本を読んで気づいた大事な事はメモとして持ち歩く様にしている。そのせいか手帳が膨らみつつあり、まぁそれはそれで嬉しいわけです。


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