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『21世紀の国富論』原丈人


シリコンバレーでベンチャー・キャピタリストとして活躍してきた原氏が企業経営/ベンチャー企業/テクノロジ/世界貢献(援助)等の様々な産業や世界状況に関するヴィジョンについて語った本。 肩の力を抜いた読んでいて軽い感じで語っているが、自分の知っている領域で計るに、結構それは大変なこと。剛速球ではない直球だがとても重いという感じ。 個人的に憧れるシリコンバレーで、名だたる企業を育ててきた方だけに、弟子入りしたい想いを勝手に持ってしまう。

さて、ここにはシリコンバレーではもうかつての様な輝かしいベンチャーリスクを取って起業するのは難しいとか、起業財務に関する様々な提言がある。詳細は本書を読んで頂くとして、私はここで2点をあげておきたい。

・インデックス ファブリック
氏の本ではPUC(パーベイシブ・ユビキタス・コミュニケーション:pervasive ubiquitous communication)という新しいコミュニケーションアーキテクチャを中心に語っており、その中でもP2Pこそ本来のネットワークという言葉に原典を思い出させました。
確かにインターネットの原典となる考え方はP2Pで自立したネットワーク同士が自律的に接続する形態でした。

その解説の中でIFX(インデックス ファブリック)理論が登場しています。簡単に言えばP2P環境において、分散化されたデータを分散化したパワーで管理するデータベースという事で、(完全理解していないので)説明が難しいのですが‥

例えば動画を複数のクライアントに分割して保存しておくとする。それを再生しようとした際にはP2Pによって周辺(最も近い箇所から)それを入手して再生するといった事で、中央集結型からの脱皮となります。
(当然著作権管理は断片化&分散ファイル結合時等に検証される必要あり)

趣味趣向等の個人プロファイルをここに保持しておけば、漏れる可能性はないし、広告のヒット率も向上間違いない。ぜひ注目したい技術です。


・新しい技術は「先進国」からという構図は崩れる
ODA をはじめとして様々な発展途上国に対する援助は行われていると聞いています。ここでは社会インフラ整備に多くが使われているらしいのですが、ここでの考え方も斬新なものが提示されています。
(ここでは本書をご覧頂くとして、以下は勝手な持論)

例えば最初に導入したコンピュータアーキテクチャーはその後のその国のコンピュータ歴を左右する重大事です。といってもそこはPCならば部品レベルで互換性ありなので日本仕様はないのでしょうが、仮名漢字変換のような部分の方式を日本語仕様に近いものとしたらどうでしょうか?

何を言いたいかと言うと、援助する国を日本色に染めてしまい、日本の生産性向上のためのソフトウエア工場を設立していくというイメージです。
ある程度発展して自律していく事で、独自色が出る事は当たり前なので、そこに至るまでは日本の各種ソフトウエアの生産拠点として成長してもらう。
それに必要なインフラ(光ファイバとかLinuxサーバとか)を整備していき第一次産業から一気にステップアップしていく。
日本のODAの意義を問う国内の声もなくなり、相手国も自律するまでは成長の過程を経済価値に素早く置き換えられるモデルだと(勝手に)思っています。

いずれにしても、本書における大胆なアーキテクチャの提示は久々に大きな潮流の気配を見た気がしました。



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アット・ニフティストア

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