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iPhoneを売るキャリアは単なる土管になる


昨日に続いてモバイル系の話である。 ネットワークを商売にしているところは、電力会社のようなインフラ提供という義務は負っているものの、その差別化が出来ないという状況を非常に恐れている。

お客にとっては、どこの回線(インフラ)でも変わらないから、値段とかオマケとかでフラフラしてしまう。逆にネットワーク屋さんからすればスイッチするお客ばかりで(肝心のインフラも)提供が危なくなってしまう。

なんとしてでも、スイッチングコストを高める工夫をすべきだろうが、携帯に関して言うと、今はSIMロックとかお客の利便性を「人質」にとっている様にしか見えない。

日本を代表する起業家である、ソフトバンクの孫氏はそうした本質を語っていた。

携帯電話会社は何をするべきなのか。孫氏はインテグレーション(統合)が鍵だと話す。「システムやコンテンツなどを統合し、優れたユーザーインターフェースを提供する必要がある。料金や速度で競争していては、自らを(ネットワークの)土管にしてしまう」
「料金、速度競争は自らを土管にする行為」--ソフトバンク孫氏、スペインで講演

これをもう少し分かりやすく言うとこの様になる。

キャリアがユーザーにとってなくてはならない存在でい続けるためには、キャリアにしかできないデバイスとサービスを包括的に統合した圧倒的な「おもてなし」で差別化をはかるしかない。
通信事業者は「ただの土管」にならないためには何をすれば良いのか?

実は、中国で(海賊的に)先行していて、もうじき日本でも始まるという「ある話」がそれを助長することになるのではないか?

その「ある話」とはiPhone販売である。iPhoneによる携帯キャリアの土管化については、中国の実体がそれを示唆している。

マーケットリサーチ企業In-Statの調査報告によると,2007年末の時点で,40万台ものロック解除された「iPhone」が,中国移動(チャイナモバイル)のネットワーク上で稼動していたという。 中国で「iPhone」40万台が既に稼働--In-Stat調査
【ニュースソース】
According to China Mobile, the biggest wireless carrierin China, there were about 400,000 cracked iPhones using its cellular network service at the end of 2007, representing one out of every 10 iPhone shipments announced officially by Apple. Chinese Mobile Users are Ready for the Apple iPhone
この報告のポイントは、以下の部分にあると思う。
Further, the iPhone is not just a successful product. In-Stat feels that the iPhone is leading the way to a new generation of smartphones that are very different from their older counterparts. One important trend is that revolutionary UI and UE, enabled by touchscreens and 3D sensor technologies, will be widely used in the next generation of smartphones in China and around the world. Chinese Mobile Users are Ready for the Apple iPhone Chinese Mobile Users are Ready for the Apple iPhone

私自身もiPhoneを触ったエントリ「iPhoneを触ってみると」を記したが、確かに革命的なユーザ体験を与えるものとなっている。この報告のポイントは要するに、過去のデザインとは明確に異なる、革命的なインターフェースと操作体験が次世代の「おもてなし」を演出しているという事ではないか。

土管の話に戻すと、China Mobileの立ち位置の様に「キャリアはどこでも(安ければ)いい」「iPhoneが使えれば(それだけで)いい」という顧客心理となるが、一方でキャリアは「独占提供」によってスイッチングコストを稼ぐという事になる。
キャリア自体はそうした人質でも取らない限り「土管化」を避けられないという事になってしまう。

日本でもドコモが提供する話が進んでいるらしいが「別にドコモである必要はない」「iPhoneが使えればいい」だけの話である。それでもドコモにとっては、回線を(独占的に)使って貰える現実的な甘味(うまみ)を取る方が大事だろうけど。

と言う事で今からでもiPhoneとは別の、鮮やかな切り口で切り込むモバイルサービス&ガジェットについて、キャリアとユーザが協調して考えるいい機会なのではないだろうか?



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アット・ニフティストア

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