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37 Signalsから学ぶこと (Lessons Learned at 37Signals)


毎年3月にアメリカで開催されるエンターテイメント系のメディア・コンファレンス「South by SouthWest(略してSXSW)」に、37 Signalsという一部には有名なWebのサービス企業のFounderが、その経験を余す事なくプレゼンしたらしい。

それがRead/Write/Webに掲載されていたので、私なりの意訳をもって勉強したいと思う。

全部で14項目あるのだが、自身の経験からもなるほどと思う部分もあり、考え方自体を学ぶものもありました。全部の項目を置くよりも、印象深いものをここに記してみました。

1.偉大な疑問は無視
ここで言う偉大な疑問(Great Unknown)とは、例えばスタートアップに対する「100万ユーザと100人の社員がいたらどうする?」といった疑問をいう。つまり現在にフォーカスせよ、という事。それから、アントレプレナーはより正しい決定を行う事よりも、自分の決定の影響を心配するが、それは馬鹿げていて、最後までそれを貫徹する事はなく、常々「今日に対する最適化」をしなければならない。

2.赤旗に用心
職場のコミュニケーションに問題が起きる言葉や単語を「赤旗(Red Flag)」と呼んでいる。具体的には need(必要), can't(不可能), easy(簡単), only(たった), fast(早く)といったものだ。【要するにコミュニケーション上の問題を起こす単語は禁句という事】

3.他の人を助けて(その人が)成功してお金を稼ぐことは、成功してお金を稼ぐ事だ
こうしたサービスを実現したのは、ツールは他の人の仕事をより良くする事が出来るからだ。それが37 Signalsの理念の一部となり、市場で他の人を補助するという連鎖反応と触媒の機会を探す事となった。

4.消費者を目的としない
「イノベータのジレンマ」等の書籍にある言葉だが、アイデアは消費者のいないマーケットか人々のニーズはあるが、誰も参入していないかどちらか。

5.常に仕事に疑問を持つ
・なぜこれをしているのか
・何の問題を解決するのか
・現実の役に立つのか
・価値を加えているか
・行動を変えるものか
・簡単に行える様にするものか
・その機会は?
・本当に価値があるのか

6.自分のプロダクトを読め
現在のインターネットの著作権の稚拙さで、ピクセル(絵)には気をつけるが言葉には十分な注意が払われていない。

7.単純なところで間違う
いつも「簡単なところから始めよう」という事。

8.何を変えないのか、に投資する
これは最も良いビジネスアドバイスだ。これは直感の類いが全くないので非常に面白い。何か新しい事を起こそうとしている技術会社を考えると、それらはいずれ資金が尽きる。【変わらない事=普遍的な事に事業を置くという観点は確かに新しい視点】

9.シェフについていけ
シェフは非常に賢いビジネスパーソンである。彼らはあなたに知識を提供する事で、有名になり成功する事を知っている。例えば、シェフは料理を見せて、料理の本を書く、レストランを閉める事なく成功する。

10.中断は生産性の敵
(37Signalsの経験から)割り込みの生産性低減に対して、e-Mail等の受け身のコミュニケーションを使う事にした。

11.ロードマップはあなたを間違った道に送る

ビジネスプランや未来のプロダクト等を考えていて、37Signalsではロードマップは悪だと思った。なぜなら、それは我々を過去に留める事になるからだ。何よりもあなたの予想は「正しい時に正しい事をする」べきだ。

12.危機においては明瞭に
(サービスのトラブル発生に対して)すぐに詳細を利用者に知らせ、技術的な問題についてその過程を説明した。この経験から、人々は危機においてもオープンで正直であれば、あなたを愛するという思いを強くした。

13.小さな決断をする
大きな決断をする様にするよりも、問題を原子レベル(もの凄く小さく)まで分解することを推奨する。Web界ではこれはとてもパワフルだ。なぜならサービスにおいて、特徴や機能を分解してそれらを同時に立ち上げる事が出来るから。さらにチームにとって勢いを増すし、小さな立ち上げパーティを祝えるという良さがある。いずれにしても「小さな決断をする時、大きな失敗を犯す事はない」

* * *

これらを読むと、私のいる職場は割と大げさな事をしている様に見えていて、実はやらずとも良い事に時間をかけたり、やる方向性が違っていて生産性を落としたり、そんな感じがしてしまう。

実際にやっていて、本当にそれに価値があるのか/価値を加える事になるのか、そういう疑問を持っていた部分もあり、そういう意味でもとてもためになる気がします。



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