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ひと皮むけて欲しいp2p問題


インターネットを技術的に見た場合、P2Pは様々な問題解決策の1つとなりうる、理想的な情報転送方法だと思う。インターネットに繋がっている様々なサイトが協力しあって、1極集中(=ボトルネック)を回避するわけで、元々のインターネットの歴史的にも(その考え方は)原点だ。

ただし、これはあくまで技術的見地だけで、利用者やその仕組みを利用する方法はどうあれ、流される/流す情報が、著作権違反では話にならない。

だから理想的な情報転送方法だと言っても、悪いイメージが拭えないのは非常に残念でもあるし、米国の状況を見ていると、日本はもう1皮むけて欲しい感じもする。

現状を見た場合にP2Pの利用によって発生している各種の問題は2つぐらいに集約している様に見える。
1. 著作権違反のファイル共有
2. 過剰なトラフィックの発生
(※Winnyのウィルスで情報が公開されてしまう問題は、Winnyとウィルスの問題なので除外)

前者に対しては以下のような方向で実施する模様だ。

 今回の対策は、著作権団体が、違法コピーのやり取りを繰り返している利用者について、ネット上の「住所」にあたるIPアドレスを専用ソフトで特定したうえでプロバイダーに通知。プロバイダーは、このIPアドレスをもとに利用者に警告メールを送信し、従わない場合などには、一定期間の接続停止や利用契約の解除に踏み切る。
違法コピー常習者はネット切断、プロバイダー業界が合意(読売新聞)

それがどうもインターネット初(ということは世界初)みたいだ。
日本は、フランスと英国(両国とも同様の規制が提案されている)を抜いて、インターネット上のファイル共有を禁止する最初の国になりそうだ。
日本のISP、ファイル共有を禁止へ(TechCrunch Japanese)

この対応の是非はネット上ではかなり議論されている様なので、ここでは歴史的観点だけ確認しておきたい。(決して今回の決定に反対という意味ではない)

かなり前の話だがナップスターが違法コピーの音楽を蔓延させ、同様に利用者(コピーを聴いていた人も)全体に対して著作権的な観点で訴訟や罰金といった処置が取られた。それが契機となり、その後音楽配信サービスが(現在は結局無料だが当時は)有償で開始された。

全ての情報はデジタル化可能で、元々デジタルなものを含めてコピーされうる可能性は否定出来ない。だったら「手頃な価格で」きちんと流通可能な形にすれば、もっと市場は拡大するだろう。
なんとなく、今回の決定の中ではそうした歴史の「昔の1コマ」を見ている様な気がしてならない。

一方でP2Pのトラフィック問題についても、次のイノベーションが起きつつある。

P2P, or peer-to-peer, is the protocol currently used by many file sharing networks for moving large files over the internet. Now, a new protocol, P4P - aka Proactive network Provider Participation for P2P - is being introduced by Verizon. P4P's goal is to reduce backbone traffic and lower network operation costs. Will P4P bring us the bandwidth we've been waiting for?
【意訳】現在、P2Pはファイル共有や大きなファイルの転送に使われている。今日、新たなプロトコルP4P(先進的ネットワークプロバイダ参加型P2P)がVerizonによって紹介された。P4Pのゴールはネットワークバックボーン負荷の低減である。果たしてP4Pは我々の待っていた帯域幅をもたらすだろうか?
Goodbye, P2P! P4P is Coming

米国VerizonはPandoという動画配信企業と組んで、P4Pの実験を開始し、相当な成果を収めている。むやみにPeerに接続する事でネットワークトラフィックを増やすのではなく、インテリジェントであると解説している。

さらにこのP4P実験の後、本番としては米国3大ネットワークに1つであるNBCが、そのHiVisionクラスの映像番組をPandoを通じて流すという事である。

The P4P protocol may even be ready by next month, when NBC begins offering HD downloads of popular TV shows via the Pando software.
【意訳】P4Pプロトコルは来月開始予定の、NBCがHDクラスで制作された、一般テレビショーのダウンロードをPandoを通じて行うのに準備完了という事になる
Goodbye, P2P! P4P is Coming

有償なのか無償なのかまでは分かりませんが、NBC(コンテンツホルダ)が、高画質な、人気番組を配信する。つまり、アングラでコピーしなくてもコモデティ化してしまうという事だ。

つまり、ここに一連のP2Pに関する問題の解がある気がしてならない。インテリジェントに進化したP2Pプロトコルを用いて、著作権の扱いを正しく処理したものをちゃんと入手するルートを作る。

プロトコルでなく、社会やその仕組みの進化が待たれるのかも知れない。



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アット・ニフティストア

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