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ベゾスに見る顧客志向とイノベーションの関係


先ごろBusiness Weekが発表した「The World's Most Innovative Companies」だが、その表紙にもなっているJeff Bezos氏。イノベーションが最も似合う経営者というイメージなのかも知れない。

このランキングでは日本企業もかなり上位で頑張っていて、TOYOTAやHondaといった自動車メーカーに混じって任天堂も7位とランキングされています。あくまで米国発の情報ですからこれに入る/入らないの基準は米国市場が基本でしょう。

さて、そのJeff Bezos氏が「Bezos On Innovation」というタイトルの記事が掲載されていたので、そのイノベーションのポイントをエントリに記そうと思う。引用元は日本語訳された記事(アマゾン創業者のベゾスCEOが語る)からとしました。

倹約主義を貫くことでイノベーションは促進されると思う。様々な制約の中でイノベーションが促されるのと同じだ。閉塞状況から抜け出すためには、自分で新たな方法を考え出すしかない。アマゾンの創業当初は顧客獲得のための広告にかける予算はなかった。そこで考え出したのがアソシエイト(アフィリエイト)プログラムで、我々のサイトにリンクを張ってくれるウェブサイトすべてに収益を分配した。購入から支払いまでが迅速に行えるワンクリック注文システムも考案した。これらのイノベーションはみな多額の予算をかけることなく実行できた。徹底的に検討し、顧客の利便性に焦点を当てる姿勢さえあればできることだ。
アマゾン創業者のベゾスCEOが語る

「制約」を何か障害の様に捉えるのではなく、イノベーションの方向性として捉えるというポジティブな方向こそがイノベーションの源泉という感じがしました。

業務の効率化やコスト削減によって、顧客への低価格での商品提供が維持できる。しかし、我々の事業展開は幅広い分野に及んでいる。
<中略>
こうした大きな取り組みについては、非常に高い目標を設定する必要があり、同時期に数多くの取り組みに着手することは不可能だ。対象については慎重に選択しなければならない。
アマゾン創業者のベゾスCEOが語る

さらに「制約」だけでなく(慎重なる)「選択」を行う必要があるという事だが、これはかなりリスクを伴うものだろう。

しかし、このインタビューから得られる最大の視点は、あくまで顧客志向にあるという事が分かる。

企業は顧客中心というより、今や技術中心主義に陥っている。
<中略>
世界は変化し、かつて最先端だった技術も今や顧客にとって無用の技術になっている。「顧客が何を必要としているか」を問うところから始めることで、はるかに手堅い戦略になる。その後で技術的に不足している点を検討すればよい。 アマゾン創業者のベゾスCEOが語る

制約や選択の基準に置くものは、やはり「顧客が何を必要としているか」の視点で揺らがないことがイノベーションの源泉であり、勝因なのだと確信した意見だ。

最後のこの言葉が最高だ。

これまでアマゾンの株価に対する批判の声は数多く耳にしてきたが、顧客からサービスについて批判を受けたことはない。ITバブル崩壊後、最も厳しい評価を行っていたアナリストと話し合う機会があった。会合の終わりに皆、「私はアマゾンでたくさんの商品を購入している」と言った。一番批判的なアナリストが優良顧客でいるのなら、結局我々のやり方はそれほど間違ってはいないということだろう。
アマゾン創業者のベゾスCEOが語る

南場さんの講演を聞く」というエントリで、DeNAの悪戦苦闘の歴史を南場さんが語っていたのだが、「Yahoo!を見て仕事するのではなく、お客様を見て仕事しよう!と決めた/約束した」と言うシーンがある。やはりこれがイノベーションだけでなく全ての成功している企業の基本/当たり前の姿勢なのだ。

その当たり前が当たり前に出来ない/出来ていないのが、最大の謎で、出来ていない原因は「どこを見ているからなのだろう?」といつも不思議に思っている。(他人事の様にあえて言ってみる)




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アット・ニフティストア

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