« ステレオタイプには注意 | トップページ | 音楽媒体の変遷は意外と早いかも »

不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか


なんとなく手にした本だったが、(逆の意味で)期待はずれに面白かったので、書評は苦手なのですが、エントリを起こしてみます。

朝挨拶を交わさないとか、たこ壷に陥った様に(他の社員の)挙動に感心がなく協力しようとしない、提案や反論を募集してもレスポンスがなくスルーされる…そういった自社内でも起きている事象は、自分の会社だけなのだろうか?とは常に思っていた。
こうして本に記されるということは、ある程度同じ状況の置かれた人がいるという事なのだという驚きを込めて、少々ポジティブに考えてみたい。

「職場がおかしい」という章では以下のような事象を上げている。
・直接対話しない
・新しい事に参加してくれない
・部門間連携が上手にできない
・(本来このあたりのモラル向上をする)中間管理職が潰れている

そもそもどうしてそうした事が起きたのか?これはステレオタイプな反応として、成果主義の推進と雇用関係の薄弱化、及び福利厚生費の削減、といった事が上げられるかもしれない。だがここでは意外と冷静に3つ要因をあげている。

・役割構造
どういった役割の人達が、どういった形の構造をもっているのか。それにより誰と協力すると良いのかが分かる。
・評判情報
「知っている人には協力したい」という当たり前の条件を成立させるために、その人の評判(というか「ひととなり」)を知る
・インセンティブ
広い意味での動機づけ。単なる○○賞で賞金を出すとかの類いではない。これがないと社会的な価値交換が働かない。

そうした要因を企業環境や歴史から説明していて非常に分かりやすかった。例えば3つ目の要因の例として、Googleのインセンティブについて論じている。
・世界でもトップ水準の仲間と仕事が出来る
・お互いが認知される風土がある
これらがエンジニアにとって価値のある報酬となっており、それらを享受するためには、自らも社会的な価値交換に参加しないといけないというわけである。

私にはそれだけでない明文化されない何かがある様に思えてならない。世界レベルの相互認知がなければうまくいかないというわけではないはずだ。そう思っていてふと以前に書いた記事を思い出した。

以下は本書には直接関係ないあくまで私の仮説です。

以前のエントリ「Google成功の秘訣はOfficeから出さないこと」の記事には「28万平米のGoogleplexと呼ばれる社食」という意訳で記している。
例えばFlickrの写真(Googleplexタグ)で見ると、Googleplex自身は、キャンパス全体を指すようだ…
いずれにしても広大な社員食堂やビーチバレーコートにプールや各種の設備がある。

これの共通点は確かに「福利厚生」ではある。しかし決定的に違うのは「他の人と顔を合わせる機会創出」だと思う。Googleほどオンラインで情報をやりとりする企業はないだろう。またオンラインでのコラボレーションも格段に進んでいるだろう。それだからこそ、社員間が顔を合わせる機会創出として、プールバーもあるし、食堂もあるという事ではないか?と思ったのである。

そうすると、顔を合わせて何か(食事でもバレーでも)すれば、「役割構造」(どういった人がどういう役割なのか、組織図ではない)の理解が進むし、「評判情報」(そのひととなり)を理解する機会にもつながる。さらに、例えば披露されたアイデアが良いと思えば賛同することで、参加している自分も賞賛の対象となる。

そういう強引な理屈で、日本の社食とはちょっと違い、社員の交流が行われる、企画性のある「ネオ社食」(Google型社食)が今後の「たこ壷社員対策」に有効なのではないか?と私論を展開してみたわけである。


話を戻して本書での対策として項目を上げているが、オチを見せてしまうようなので、ここでは書かないが、自社を振り返ってみて反省と対応策をすべきと思う内容が、特に5章「協力し合える組織をつくる方法」に上げてある。
例えばインフォーマルな活動を会社として推進する、とか 認知や感謝を広める活動などである。

社会学的な理論背景をもたない私には、様々な角度で検討している本書はかなり良い事を勉強させてもらった。

【関連情報】
Newsingでの特集(コメント可能)
週間ダイアモンドの特集




ブックマークに追加する



アット・ニフティストア

« ステレオタイプには注意 | トップページ | 音楽媒体の変遷は意外と早いかも »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38989/41175462

この記事へのトラックバック一覧です: 不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか:

« ステレオタイプには注意 | トップページ | 音楽媒体の変遷は意外と早いかも »