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大統領予備選に見る、米国最大の広告宣伝作戦


昨年7月(恐らくは参院選挙)に、「政見放送なんかよりもYouTube使ったら?(Web2.0選挙)」というエントリで、ネットを使った活動、特に選挙民とコミュニケーションして欲しいという話を書いた。

どういう顔で政見を述べているのかを、テレビだけでなくYouTube等のネット上でいつでもどこでも参照可能な媒体として欲しい、とも書いた。

実際に現在は(一応)小康状態にある、米国の民主党大統領候補選のオバマ氏とクリントン氏のメディア利用評価がAdAgeに掲載されていた。ケネディvsニクソンの時代から既にメディアが勝敗を決める時代になっている米国では、特に今回はネットの影響がものすごかったらしい。
これを読むと、米国の大統領選は、つくづく戦略的緻密さと大胆なメディア展開を行う、米国最大の広告宣伝作戦だと感じた

この評価で最大差のついている「Social Media(ソーシャルメディア)」の評価は以下の様になっている。

However, Obama won the user-generated media channel decisively. Nearly three times more videos were uploaded by the Obama camp vs. Clinton camp, with 10 times more views. The viral impact of the "I got a crush ... on Obama" video by "Obama Girl" and its various spinoffs enjoyed more than 60 million views on YouTube. Obama also exploited having more than 1 million Facebook and MySpace friends. His use of social media has not just helped him to connect with younger voters, but has also been an incredibly efficient way of keeping him in the media.
【意訳】オバマ氏はUGCのチャネルにおいては決定的な勝利を収めた。オバマ陣営は、クリントン陣営に比べ、3倍近くのビデオアップロードを行い、10倍近くの参照数の差があった。クチコミインパクトがあったのはオバマ・ガールのビデオで、それはYouTubeで60,000万回参照された。オバマ氏はさらに1億の友人をFacebookとMySpaceに作った。彼のソーシャルメディア利用は、単に若年層との連携を補完しただけでなく、信じられないほどのメディア効果を生む事が出来た。
Hillary vs. Barack: Who Had the Smartest Media Strategy?

戦略的にはもっと重要なものもあろうが、新しいメディアの登場をいかに自己陣営に活かすかが、選挙の生死を分けた事になる。

そういう意味での戦略の重要なポイントは、テレビである事は言うまでもない。そこの評価はどうか?と言うと…

Obama focused his TV ads around a core message -- change. Clinton's message has not been nearly as simple. In the six months leading up to the Iowa caucus, Obama focused much of his TV budget in Iowa, whereas Clinton spread her budget across many more states.
【意訳】オバマ氏はテレビ広告には中核となるメッセージ「Change」を集中的に展開した。クリントン氏のメッセージはシンプルではなかった。6ヶ月優位だったアイオワの政党執行部ではオバマ氏は、よりテレビ広告を集中的に投入するが、クリントン氏は他の州など横断的に投下していた。
Hillary vs. Barack: Who Had the Smartest Media Strategy?
シンプルなコアメッセージ「Change」と、弱体基盤に集中投下するテレビ広告戦略は明らかにオバマ氏の戦略勝ちだろう。

恐らく選挙戦が実質的に終了した事で、選挙資金の量が勝敗を分けるという自体もあったようだ。それは「Direct-Response Media」の評価に現れている。

Obama's camp prioritized new-media strategies early on, and relied on online activity and a social-network-style campaign website. After Clinton loaned her campaign $5 million, the Obama team responded by sending out an e-mail to its supporters the next day that read, "We need to match this quickly, can you help?" Within 24 hours respondents donated $8 million.
【意訳】オバマ氏のキャンペーンは初期に新しいメディアを重点的に使う戦略だった。そしてオンライン活動とソーシャルネットワークのような選挙キャンペーンサイトに依存していた。クリントン氏が500万ドル(5億円)を選挙資金に借りた時、オバマ・チームは「私達は早くそれが沢山欲しい。援助してくれませんか?」というE-mailをサポーターに送った。それが24時間で800万ドル(8億円)の寄付を得た。
Hillary vs. Barack: Who Had the Smartest Media Strategy?
これは単なるお祭りや政治的なイベントと捉えるのではなく、ある意味で最大の広告作戦であると考えるべきだろう。彼らの手法は、ある1人の人間をいかに沢山の人に印象付けるか?という1点にフォーカスされ、全てのメディアを最大効率で稼働させる完全な広告宣伝作戦だと思う。




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