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ネットを制するものは国を制する


アメリカ大統領予備選の勝者の一人であるオバマ氏は、ネット戦略が非常にうまくやっていて、勝因の1つであるとともに、今後の選挙戦略に関して重大なトレンドを作ったと思う。

大統領予備選に見る、米国最大の広告宣伝作戦」という私のエントリでは、そのネット上の戦略展開を「広告展開作戦」の1つとしての分析記事を書いた。ちょっとポイントをまとめると‥


(1) UGCの圧倒的な勝利:FacebookとMySpaceで1億人、YouTubeでも圧倒
(2) TVキャンペーンはシンプルなメッセージ「Change」中心
(3) 選挙キャンペーンとリンクした寄付集金システム

つまり、ここでのポイントは何と言ってもFacebookの友人1億人である。そこにはFacebookの創業のうち1人がキャンペーンに参加している事が大きな要因のようだ。

Last November, Mark Penn, then the chief strategist for Hillary Rodham Clinton, derisively said Barack Obama's supporters "look like Facebook."
Chris Hughes takes that as a compliment.
Hughes, 24, was one of four founders of Facebook. In early 2007, he left the company to work in Chicago on Obama's new-media campaign.
去年の11月に、マーク・ペン(ヒラリー・クリントンのための当時の主要な戦略家)は、オバマ候補の支持者が「Facebookのようだ」と嘲笑的に言いました。 クリス・ヒューズ氏はそれを賛辞として受け取りました。なぜなら、24歳のヒューズ氏はFacebookの4人の創設者のひとりでした。 彼は2007年前半にFacebookを退社し、シカゴでオバマ候補のニューメディアキャンペーンに取り組んだからです。
Obama harnesses power of Web social networking
(【意訳】オバマ氏はWebソーシャルネットワークの手綱を握った)
記事では、こうしたニューメディア特に草の根運動のベースとなるソーシャルネットワークがなければ、キャンペーンは全くうまく行かなかっただろう、とヒューズ氏が語っている話が続きます。

こうしたネットを制する仕組みや方法はすぐにコピーされてしまうのでしょう。実際にはこうしたキャンペーンの各種技術自体は、2004年のハワード・ディーン候補の時に開発されたそうです。

そして、こうした圧勝の要因であるインターネット上の展開は、Blue State Digital社がこうした各種プロモーションの仕掛け人らしいのですが‥

この会社の現在や将来はともかく、この会社が政治的なプロモーターとしての実績を持つ人との「繋がり」があるという部分。つまり、先の新しい技術を「発明」したハワード・ディーン候補の参謀との繋がりという部分がポイントかも知れません。

オバマ氏がこの会社を選んだ時点である程度勝率が読めてしまっていたのではないか?と思ってしまうのは私だけではないでしょう。

From each presidential election emerges at least one consultancy credited with gaming the system in a new way: Political operatives who made their bones trying to get their candidates elected include Roger Ailes (Nixon) James Carville (Clinton) and Joe Trippi (Howard Dean).
いずれの大統領選からも、新しい方法でゲームを作ったシステムを持ったコンサルタントが、少なくとも1人はいます。その彼らの候補を選出しようとする戦略を作った政治活動家としてロジャー・エールズ(ニクソン陣営)・ジェームス・カービル(クリントン陣営)とジョートリップル(ハワード・ディーン陣営)があげられます。

This time around, it looks as if the winner will be Blue State Digital, the firm behind Sen. Barack Obama's ubiquity/dominance on the Web (1 million Facebook friends, $200 million raised online).
今回は、まるで勝者がBlue State Digital社(オンラインで2億ドルと、100万人のFacebookフレンドを集めた、オバマ上院議員の委託会社)であるかのように見えます。

Not surprisingly, there's a direct connection between Blue State and one of the previous pioneers of presidential campaigns: All of its founders learned at the knee of former Dean campaign manager Joe Trippi.
当然ながら、Blue State社と以前の大統領選キャンペーンのパイオニアのひとりとのダイレクトな繋がりがあります。Blue State創設者は皆、元ディーン陣営で選挙事務所長だったジョートリップルに学びました。

Among its achievements: Blue State built Obama his own social network, MyBO, which has 850,000 users and has organized 50,000 events. And they've done all this, BusinessWeek reports, while only billing the campaign $1.1 million.
この業績の中でBlue State社は自身のソーシャルネットワークに85万人のユーザがいて、5万回のイベントを組織化した陣営をオバマ氏に作りました。 BusinessWeekは、キャンペーンに110万ドル(1.2億円)かけていたと報告しています。
How Obama Won The Internet: Blue State Digital
(【意訳】オバマ氏はどの様にインターネットで勝利したか)

こうした歴代の大統領選で活躍したプロモーターの血筋というかブランドや技術を受け継ぎ、さらにそれを進化させているという点がとても面白いと感じました。

つまり、これは大統領選挙時に開発された技術を、Blue State 社を通じて一般のWebキャンペーン等をメインにした民生に適用されているわけです。

それに単なる血筋のようなもの以外に、本当にインターネット・ツールを駆使した企画力の勝負が勝敗を分けたという所でしょうか。そこがFacebook創業者の役割だったかも知れません。

本当の勝負は今年末の大統領選になるのですが、いずれにしても大統領選挙で「発明」された各種技術について、個別候補の戦略/技術展開を詳細に分析し、それがコンシューマ市場の新しい攻略トレンドとして定着すると、ネットプロモーション市場としては結構面白いかも知れません。



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アット・ニフティストア

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