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企業運営のオンライン・コミュニティーを失敗させる3つの方法


日本では企業の主催、もしくは運営しているオンラインコミュニティはあまり聞いた事がない。これは主催する側も、変にクレームなどを恐れているという事と、利用側も(色々な意味で)ネットに慣れておらず、建設的な場に出来ず、時に単なるクレーム窓口と化してしまうからかも知れない。

そういう意味では利用者側のネットに対する習熟度が低い、と言ってしまえばそれまでだが、それとは逆に、運営する企業側の問題として、そもそも人がいないオンラインコミュニティというものがある。それは、時にその企業にとっては逆効果になりかねないのである。

オンライン・コミュニティに関して、一緒に仕事をしたことがあるWebプロデューサは、よく「寂れたコミュニティほどみっともないものはない」と言っていた。全くの同感である。

The Wall Street Journal「Why Most Online Communities Fail(【意訳】なぜほとんどのオンライン・コミュニティーは失敗するか)」という記事が掲載されていた。

今後、企業にとっては成長するネットの位置づけを変えざるを得ないと思うが、そのときにブランドロイヤリティ目的で、コミュニティを運営する事になった際には参考になる先進事例かも知れない。

【意訳】 ビジネスのための最近のホットな投資のうちの1つは顧客がブランドに密接になったと感じるためのオンライン・コミュニティーに対するものです。しかし、ほとんどのこれらの努力は、ほとんど人が訪れない飾りだけのウェブサイトを作る事になります。問題:ビジネス側は、コミュニティー自体ではなくオンライン・コミュニティー自身が提供できる価値に注目しています。
エド・モーラン(オンライン・コミュニティーと100を超えるビジネスに関する研究をちょうど終えたDeloitteコンサルタント)によると、驚いたことではないが、これらのサイトは顧客と誘導を得られませんでした。研究によると、オンライン・コミュニティの35パーセントは100人未満のメンバーしかおらず、25%未満のオンラインコミュニティは1,000人を超えるメンバーを持っています。
これらのビジネスの6%はそれらのコミュニティー・プロジェクトに100万ドル以上を費やしました。「心をかき乱すほど多くのこれらのサイトは失敗します」とモーランが私たちに伝えます。
Why Most Online Communities Fail
【意訳】なぜほとんどのオンライン・コミュニティーは失敗するか

米国という先進事例でも35%が失敗で、成功しているかも知れない1,000ユーザ以上を見ても25%しかいないという事だ。

この記事の続きでは、この失敗事例からしてはいけない事=失敗するためにする事、という観点で3つの指摘をしている。(ここではタイトルを捻った関係で、逆説的に失敗するための方法として書く)

1. 技術的/オプション機能を重視して巨額の開発費をかけろ
そう、何にせよ人の目を引くオプション機能、気の利いたサイドメニュー、技術的なアドバンテージを追い求めるべし。「最も最新の機能は○○で…」などと聞いたら、大枚叩いてでも導入すべし。間違っても、潜在的なコミュニティ・リーダーに協力を求めたり、人的ネットワーキング技術の高い人を仲間に入れたりしてはいけない。

2. オンラインコミュニティサイト運用者を置くな
もし運用者がどうしても必要なら、パートタイムの社員を当てて、片手間でやればいい。マーケティングやブランド、カスタマーロイヤリティなどを知っている人間を当ててはいけない。

3番目が最も簡単な決めごとだけで済むことである…

3. ビジネス側からコミュニティ成功の指標を考えるな
ビジネス面からのコミュニティ成功の指標はページビューや訪問者数で測ればいい。例えページビューや訪問者数とビジネス指標(売上とか利益率とか)との関連性がなくても良い。グーグルランキングを追い求めるとか、提供している会社への誘導リンク数という指標でも仕方ないだろう。

* * *

失敗するための方法として書いてみたが、オンラインコミュニティを運営している企業側が、もし「この指示通りにしている」という答えだとすると、それは間違いなく「人が集まらない」ある意味で素晴らしいオンラインコミュニティを着々と構築しているという事になるだろう。

私もオンラインコミュニティに関連した仕事をして長い方だと思うが、この3つだけが「ダメにする」方法ではないと思うのだが、最も急所を突いている気がして面白い。

何にしても、本エントリの一番最初に書いたが、怖がって腰が引けている企業はオンラインコミュニティなどに手を出してはいけない。

事実について毅然と書く姿勢」では企業姿勢を、「渦巻く批判と歩く広告塔」ではお客様をどう使うかという観点、「人の口に戸は立てられず」では、ブランドや製品がそもそもネットコミュニティに足り得るのか、といった事を書いた。
どうかオンラインコミュニティを単なる流行としてではなく、広い意味での顧客との対話のための道具として使って、使い込んで欲しいと思う。



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