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社会起業家の志と改革者のコアコンセプト


先日、ご縁があって会社でお付き合いのあるベンチャーファンドの定期報告会に参加した。毎回、六本木の東京ミッドタウンで開催され、様々な起業家の方やベンチャーを立ち上げた方々とも交流出来た。

その中で少々変わったビジネスを展開している方のご紹介があった。「フォレスト・プラクティス」とおっしゃるその企業は障がい者ではあるが有資格者の方々を雇用し、企業に派遣するオフィスマッサージ「手がたり」という事業をされている。
このオフィスマッサージは、血行改善によりメンタルヘルスに効果があるという事もあり、様々な事業者に契約が取れていると報告されていた。先に「有資格者」と記した様に国家免許を保持されていることで、治療行為が可能となる。無資格者による単なる「リラクゼーション」ではない。このあたりが差別化要因という事になるだろう。

私が何より気になったのは「社会起業家」という言葉である。この「社会起業家」の本質とは、Wikipediaによると「社会の課題をビジネスの手法で解決するもの」とある。慈善事業だったり援助事業という事ではない。

ビジネス手法で解決するのであるから、当然「お金」を稼ぎ、ステークホルダーに便益を還元しないといけない。何よりもサービスや商品を買った人から満足してお金を頂けること。働いた人に働きに見合った賃金をお支払いする事。そして何よりも事業体としてきちんと成り立つこと。この3つは企業運営の基本原理で、何ら特別な事はない。


そういえば、全くの偶然だが、別のベンチャーインキュベーション組織の定例会で「株式会社マザーハウス」の方のお話を聞く機会を得た。この会社も社長自らが「社会起業家」としてバングラディッシュを舞台に工場を立ち上げ、日本で「かわいいバッグ」を販売するモデルを立ち上げている。
近いうちに大きな展開をしていくといった話をしている中で、社会起業家という面だけでなく社会改革者という面だけでもなく、1ベンチャースピリッツとして以下の様に語っていた。

途上国から世界に通用するブランドをつくるという理念を基本として、今まで途上国にある人材・素材の可能性を拡大し、援助ではなく産業として育てる事を進めてきた。バッグを販売するにあたり、こうしたストーリーをいかに伝えるか・伝えられるかが成否を左右すると思っている。 そして、世界に通用するブランドを作るというコンセプト、ではプレマーケティングなどのビジネス開発手順を踏むという事が大事かも知れないが、小さい会社にとっては、そうした手順を省いてでも早く失敗しておく必要がある。つまり、フロンティアのプライドは失敗するリスクを取ること、にある。
ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)という位置づけや、その背後にある数々のストーリーが、厳しいビジネスの様々な条件を緩和させる効果があるとすれば、それはベンチャー企業の戦略なので、とてもいい生かし方だと思う。 また起業者という立場でなくとも、社会(世界)の問題をビジネスで解決する例は他にもある。

本ブログでも以前にダッカの例「沸騰都市ダッカはスゴかった」を取り上げた、これもBrac銀行のビジネスを通じた経済成長の物語である。これも社会(世界)の課題をビジネスで解決を目指すものであった。


そうした「熱い」言葉の中で以前に以前に呼んだ本に関連した内容をお話されていたので、引用方々ここで紹介したい。上杉鷹山という江戸時代の米沢藩主の話である。知っている方や多くのWebページに解説があるので、ここでは詳細を割愛する。
中でもその中の言葉に改革を進める者の基本的なコンセプトが記されている。

「藩主になった鷹山が米沢入りしたとき、初めて見る荒れ果てた領内に彼は絶望的な気分となり、何気なく駕籠の中にあった煙草盆の火の消えた灰皿をかき回した。そして埋もれていた火種を見つけた。「冷たくなっているようでも、底には火種が残っていた。それはこの米沢藩でも同じだ。残っている火種が新しい炭に火をつける。その新しい炭火がさらに新しい火を起こす。そういう繰り返しで藩政改革の火が大きく燃え上がらないだろうか」。鷹山はこう考えて江戸から一緒だった家来たちに火種から炭に火を移す姿を示し、「おまえたちが火種だ。心の中にある改革の火種を、それぞれが新しい炭、つまり他の藩士や領民に移してほしい」と訴えたという。 小説 上杉鷹山

こうした2つのお話と1つの話がフュージョンされて、私の誤解も含めたそれまでの考えがようやく分かってきた。

ビジネスの世界は熱い思いだけではどうにもならな厳しさがあると思うが、それにも増して「社会的課題の解決」を目指すのであるから、ある種の改革者であろうから、さらにその厳しさは増すものがあるかも知れない。

だが、コアコンセプトは「周りの人に火種を移す」事にあるのだとすると、多くの応援者を得る事が最大の成果となるのだろう(勿論、ビジネス的成果としての売り上げ等も大事だ)。その意味で社会起業家の方々は熱い思いだけでなく、それに賛同させる何かのパワーを持っていて、共感して賛同する(応援する支援する)といったサイクルが回っていく。

その日までは「社会起業家」というものを少し勘違いしていて、それによって何がいいのだろうか?という部分がさっぱり分からなかった。だが、今回 偶然だが2つの話を連続して聞く機会があり、社会を変革していく、その最大公約数的なものとして「社会起業家の熱い志」がある事が分かった。



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アット・ニフティストア

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