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なぜ高くても買ってしまうのか−これほどラグジュアリーが大切な時代はない



この本もかなり以前にヒットした書籍だと思います。内容は今でも色あせない内容ですので、これも格安中古本を入手して読みました。

この100年に1度と言われる大不況で、ノキアは日本から実質的に撤退しました。これは日本の携帯電話市場が世界に比べて特殊であり、市場規模も飽和しつつある。と言われている事も一因だという「ガラパゴス論」もあるでしょう。

でもここで注目すべきなのは、NTTドコモの回線を借り入れて開始する予定のMVNO携帯電話サービス事業は残すという事です。つまり「プレミアム・サービス」は(むしろ)やるという事が強調されることになります。一体これは何が・どういった考えが背景にあるのだろうか?
そうした答えの1部がこの本には記されています。

一般に、機能的もしくはデザインの差異が商品と特徴付けていたとしても、さらに消費者に思い入れが生まれる「ブランドや価値」がラグジュアリー商品となると言われている。(本書P19ベネフィットの階段より。例としてスターバックスが挙げられる)


今回の「Vertu(ヴァーチュ)」はカタログ的にはハンドメイドの超高級携帯電話で、例えば「Vertuの携帯電話端末には必ずコンシェルジュボタンが配置されており、利用者はボタンを押すだけでユーザー専用のコンシェルジュに電話をかけ、様々なサービスを受けることができる。」(Wikipediaより)とあるほど、デザインと機能(コンシェルジェなどの根本的な機能も)が圧倒的に違う。

こうしたラグジュアリー製品の提供企業を支える8つの鍵とは、項目としては以下のものとなる。
(1) 決して顧客を侮らない
(2) 価格−数量の需要曲線を崩壊させる
(3) 真の「ベネフィットの階段」を創出する
(4) 絶え間ないイノベーションと品質管理により、完璧な体験を提供し続ける
(5) ブランドの価格帯やポジショニングを拡大する
(6) バリューチェーンをカスタマイズして「ベネフィットの階段」を提供する
(7) 従来とは異なるマーケティング手法を用い、ブランド信仰者を通じてヒットの種をまく
(8) アウトサイダーのように当該カテゴリーを攻め続ける


項目を見てみると、富裕層向けの商品を提供する、ともすると老舗の古いイメージがある様に思っていたものと、かなり違う事が分かる。日本のブランド=老舗、はその力で高級感を生みだし、内部はかなりのイノベーション企業である、と言われる。それと同じく、こうしたニューラグジュアリー製品を支える企業はイノベーション企業である。


本書の話に戻ると、概論説明の後の個別企業のケーススタディは、欧米の企業の事情通は分かるだろうが、私も含めそうでない一般読者は全く分からないという事もあるだろう。逆に言うと、ニューラグジュアリー製品を支える企業は、かなり個別に掘り下げて行った結果そうなったという事なのかも知れない。


そうした個別企業のケーススタディ後に、総括として成功企業の3プロセスとしてまとめている。3プロセスとは「ビジョン」「翻訳」「実行」としている。


ここでやっとちょっと驚く話がやっと展開される事になる。

「ビジョン」とは企業のビジョンといった大それたものでなく、新商品・新事業のビジョンという思いつきがベースとなる場合もある、ということである。さらに何ら差別化されていない、コモデティカテゴリでも、その機会はあるというのだ。(強いて言えば「男前豆腐店」がそれかも知れない)


その後「翻訳」(ビジョンで集めた情報やアイデアから、商品コンセプトを作り上げる)フェーズとなり、最後に「実施」(コンセプトを市場化する)となる。


こうして見ると、差別化できない市場・商品カテゴリといったものはなく、斬新かつ当たり前のビジョンを、忠実に翻訳していくと、そこに新しい価値が生まれるかも知れない。


それは他の商品と何ら変わらずに、沢山の風当たりもあり乗り越えないとならない壁があるだろう。本書の最後に記されたチェックポイントにおいて、「あなた」がその商品を信じているか?という事が記されており、やはり最後は自分事と出来るかがポイントなのだろう。


多少古い本かも知れないが、今ほどニューラグジュアリー商品が強みを持つ時代もないかも知れない。イノベーションの源泉として、きっと活用出来そうな感じを持った。




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アット・ニフティストア

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