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SaaSは本当にコストが低いのか−それとは別の大きな分岐点


マーケティング的に売り言葉になってしまっている感がある「SaaS」というソフトウエア提供/利用形態がある。これに加えて、最近流行りの「クラウドコンピューティング」という、グーグルに代表されるような、インターネットのサーバ側ですべての仕事をしてしまい、ユーザが使っているコンピュータ側は表示するだけ、というのが次世代の形と言われている。

インターネット側のサーバで全ての仕事をした方が、個別の企業などで利用するよりも、様々なコストが安く済むはずというのが、ここでのポイントだ。さらに企業がコンシューマ製品のソフト(サービス)を使った方が、ソフトの利用料分だけ格段に安くなる「はず」という点も見逃せない。

だが企業がそうしたコンシューマ向けサービスを実はなかなかつかいたがらない。それはセキュリティの問題を始めとした情報管理という面で危惧されることが多いからだろう。

しかし、先日(11月初旬)にJTBグループがGmail(グーグルのメールサービス)の有償版を使うという報道があった。(報道では「検討中」というものだったが)

同じ次元での比較ではないが「SaaSは実は安くない」というレポートもあるようだ。
Gmailに代表されるサービスで安くなる理由としても、以下の要素があるだろう。

Hardware costs: You have to either buy machines or add your software to existing servers and manage them. If it is a mission-critical application, you will probably need dedicated machines and back-ups.

ハードウエアのコスト:マシンを購入し、既存サーバを含めてソフトをインストールするといった管理が必要となる。もしその機能が非常に重要だったら、専用のマシンとバックアップマシンを要する

Additional software costs: You will most likely need an OS, application server software, a database, monitoring software, etc. Many of these products are open source now, but there are still associated costs.

追加ソフトウエアコスト:おそらく御社ではOSやアプリケーションサーバソフト・データベースソフト・監視ソフトが必要でしょう。それらの多くは今ではオープンソースになっていますが、連携させるためにはコストが必要です。

Implementation costs: In my experience, the implementation costs associated with a behind-the-firewall solution are always higher than those of a SaaS application. There is simply more to do. You will either pay consultants or use your own valuable resources and time to worry about installing software, integrating it, building servers, configuration, etc.

実装コスト:経験上、社内システムの実装コストは、SaaSアプリケーションのそれよりも高価です。御社はコンサルタント料を支払ったり、御社の貴重なリソースをそうしたサーバやソフトウエアのインストールといたものに割り当てる必要があります。

Maintenance labor: If you have in-house software, there is going to be some level of effort required to keep it happy. Your IT people will need to take care of it, which will keep them from doing more value-added activities.

メンテナンス労力:御社が自社でソフトウエアを構築している場合、それらを維持する労力が御社を幸せにします。御社のIT担当はそれに注意が必要ですし、その価値以上の活躍をするでしょう。

Is SaaS Cheaper Than Licensed Software?

さらにここでは場合分けして1年目と2年目以降のコスト試算で比較しています。それらは初年度は安いものの、2年目以降は高くなるという試算です。

まぁ、これもケースとしての試算なので、ケースが異なれば本当に安くなる事もあるかと思います。でもここでちょっと考えたいのは、その「コスト」以外の面です。

コスト以外の面という言い方をすると、先の「JTBがGmailを採用」という決断は、何かそれまでの心理的な障壁などと言った部分を大きく乗り越える可能性があるという事だと思う。

つまり日本のユーザー企業の心理的バリアが外れ、多くの企業が導入の検討を始めるってこと。実際、私の知る限りでも導入に動く大手企業はいくつかある。クラウド・コンピューティングへ向けて歯車がまた一つ回り始めた。
グーグルの企業向けクラウドが日本で本格化、NTTやNECは焦らなくてよいのか
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20081127/320050/

世界中の企業が、何がしかの障壁・バリアを持っていたが、背に腹は代えられない環境になりつつあり、一気に流れる可能性を示唆している。一方で、Gmailに対抗するだけのスケールメリットを持つ、インフラ提供が可能なのか?という事が今問われている。

個別企業向けに特化したSI業だけでは、こうしたものに対抗する事は出来ず、細かいSI業務で生きている企業が最大の脅威にさらされている感じもする。

これが何かの分岐点なのだろうか?と注意深く見るべきことかも知れない。



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アット・ニフティストア

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