« iPhoneキャリア情報更新で小騒ぎ-SoftBankもそのうち‥ | トップページ | iPhoneのクチコミパワー - 関係者全部を巻き込む究極の戦略 »

Appleは徹底的に自社を設計者として位置付ける-iPhone次世代チップのウワサから考える


先日のエントリで「iPhoneには沢山のウワサがある」という話のついでに「どうもAppleはiPhoneにマルチコアチップの導入を検討しているらしい」というウワサを簡単に紹介した。

以下にその記事を簡単に紹介するのですが、読んでいて思うのは「Appleは徹底的に設計部隊である事にこだわっている」と痛感した次第です。

いかに高い製造技術を持とうが、そうした製造技術自体をも、コンピュータの部品の様に組み合わせて、他社が絶対にマネ出来ない差別化を生んでいるという話の裏側の話として読むと面白いと思います。

ちょっと長いですがマルチコアチップ周りの話を引用方々意訳して記載します。

Next-generation iPhone chips
As good as Apple is at designing trick hardware, they Cupertino-based iPhone maker isn’t a one-stop manufacturer. Apple still needs the help of third-party component integrators and suppliers to turn a particular tech-vision into reality. Case in point, Apple taps Samsung as its supplier for the iPhone’s ARM-based processor.

次世代のiPhoneチップ
Appleはハードウエアのデザイントリックにある様に、クパチーノ(Apple本社所在地)ベースのiPhoneメーカはワンストップ(全てを自社で賄う)製造者ではありません。Appleはサードパーティの援助を必要としている。ここでのポイントはAppleはサムソンからARMベースのプロセッサを購入している点にあります。

And, therein lies the next piece of our next-generation iPhone puzzle. Samsung recently entered into a manufacture-only licensing deal with Imagination Technologies. The deal allows Samsung to incorporate the PowerVR SGX graphics core into their ARM-based chips. Samsung provides Apple with the processing chips for the iPhone and iPhone3G, and Samsung’s PowerVR SGX license bodes well for Samsung’s future as the processing-chip supplier for the next-gen iPhone. Keep in mind, Apple licensed the rights to use PowerVR SGX technologies as they see fit and Samsung is positioned to manufacture the actual chips.

そして、そこに次世代iPhoneのパズルのピースが存在します。サムソンはImagination Technologiesという会社のライセンス生産を開始しています。これはサムソンがARMベースのチップにPowerVR SGXのグラフィックコアを内蔵することを示しています。サムソンはiPhone及びiPhone3G向けと自社向けにこのグラフィックコア内蔵チップを提供します。気をつける点は、AppleはPowerVR SGX技術の利用ライセンスを持っていて、サムソンはそれを製造できるという点です。

Chip design
So, how is all this going to come together? Let’s answer that question with another question. Remember Apple’s acquisition of fabless chip-design firm PA Semi? Right, of course you do. It’s been long known that Apple wants to go in-house for designing customized chip architectures. The company’s acquisition of PA Semi allows Apple to design their own customized processors and send the designs to a chip-maker - which is where Samsung comes in.

これらはどういう事なのだろうか?他の質問に答えよう。AppleはPA Semiという一体成型チップメーカを買収している。そう、Appleは自社で特殊チップ構造設計が出来る様になりたかった。PA Semiを買収し、Appleは自社の特殊チップの設計が出来る様になり、チップメーカにそれを送付できる。そこにサムソンが来るというわけだ。

Is Apple working on a next-gen iPhone with customized multi-core chips?

iPhoneの用途としてゲームマシンとして使うとか、様々なグラフィックス処理を伴う(使いやすい)インターフェイスというものがあると思います。

その強みをさらに強化するためには、高い次元のグラフィックス処理を実行できるコアが必要である。それがAppleがカスタムチップ設計企業(PA Semi)を2008年4月に買収した理由というストーリーです。

カスタムチップ製造メーカは(現在は)サムソンで、方向性が合っているのですが、自社設計という事は、サムソンと心中するつもりではない事を示しています。

マルチコア
Appleがチップデザインのコントロールを求めるモチベーションの重要性は何だろうか?Appleは単純に内製でマルチコア機能を将来のiPhoneチップに入れたかった。そして唯一の方法はそうした企業を買収し、自社チップを出す事だろう。カスタマイズチップはiPhoneのモバイル市場における差別化となるからである。

Apple recently announced their new multi-core, parallel-processing technology called “Grand Central.” The technology was developed to help future version of Mac OS X (like SnowLeopard) to more effectively leverage the multi-core processors that are used throughout Apple’s computer lineup. But, it has more far-reaching implications for the iPhone. The iPhone’s iPhone OS is based on the Mac OS and will likely work with Grand Central technology.

Appleは最近「Grand Central」と呼ばれるマルチコア・並列計算技術を発表している。この技術は次期Mac OS X("SnowLeopard"のような)によりAppleのラインアップに効果を発揮する。しかし、それはよりiPhoneのための遠大な意味を持つ事になります。iPhoneのiPhone OSはMac OSをベースとし、よりGrand Central技術に取り組むでしょう。

There’s also talk of Apple pushing to bring OpenCL to the iPhone. OpenCL was developed to help parcel out data into bite-sized chunks for processing by the hundreds of parallel processors inside a GPU (possibly provided by Imagination Technologies). Leveraging OpenCL technology could be another way for Apple to introduce multi-core computing to the mobile space. And, with Imagination Technologies’ high-tech graphics core in play, Apple is well positioned to pull the multi-core trigger.

AppleがOpenCLをiPhoneへ導入するために押しているという話もあります。 OpenCLは、処理においてGPU(Imagination Technologiesによって提供される?)の中で何百台ものパラレル・プロセッサで分割したサイズの塊にデータを分配するために開発されました。 OpenCL技術を利用するのは、Appleがマルチコアコンピューティングをモバイル領域に導入する別の方法かもしれません。 そして、マルチコアのトリガーを引くには、Imagination Technologiesのハイテクグラフィックスコアが稼動状態にある事で、Appleは非常にいい位置にあります。

It’s not a question of if Apple will launch a multi-core iPhone, but when Apple will unveil their multi-core iPhone with advanced graphics performance.

それはAppleがマルチコアiPhoneをローンチするかどうかは問題ではありません、Appleがいつ高度なグラフィックス性能でマルチコアiPhoneを公開するかです。

Is Apple working on a next-gen iPhone with customized multi-core chips?

マルチコアチップをiPhoneに適用する事のウワサを記すのではなく「Appleの取りうる戦略」として語っているあたりがこの記事を面白くしています。

もうちょっと深読みしている部分を読み解くと‥

次期Mac OS X(64bit OSとウワサされています"SnowLeopard"ですね)では、Intelのデュアルコアだけをターゲットとしているわけではなく、独自のマルチコア・並列計算アーキテクチャ「Grand Central」をコアとして、Mac OS及びiPhoneの戦略を考えているという話でまとまります。

チップとて製造業者は世界中(と言っても米日韓台ぐらいしかないでしょうが)で製造可能なので、最良のモノを組み合わせて強みを強化するわけです。そしてここから読み取れるのは、Intelとすら心中するつもりはないのです。

Steve Jobs CEOは、インタビューでは「P.A. Semiは、『iPhone』および『iPod』向けのシステムオンチップ(SoC)を設計する予定だ」と断言している。(Cnet)だから、現時点ではIntelに「ちょっと気を使っている」のかも知れない。

まぁ、いずれにしても一朝一夕に企業の技術戦略とその実践による「企業の強み」は出来ないので、こうした中長期スパンでジワジワと実行していき、企業の強みをさらに強くしていく「堅実な」経営が実施されていくのでしょう、という事です。




ブックマークに追加する



アット・ニフティストア

« iPhoneキャリア情報更新で小騒ぎ-SoftBankもそのうち‥ | トップページ | iPhoneのクチコミパワー - 関係者全部を巻き込む究極の戦略 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38989/44007138

この記事へのトラックバック一覧です: Appleは徹底的に自社を設計者として位置付ける-iPhone次世代チップのウワサから考える:

« iPhoneキャリア情報更新で小騒ぎ-SoftBankもそのうち‥ | トップページ | iPhoneのクチコミパワー - 関係者全部を巻き込む究極の戦略 »