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Kindleは静かにiTunesモデルを踏襲している



ちょっと前に「今年のクリスマスは日本でもKindle2か?」という記事を書いた。日本でもau by KDDIで使われている通信方式(CDMA)にKindleが対応するというウワサについて、日本で展開する際の社会的インパクトについて書いた。

そのAmazonのKindleの大画面版が先日発表された。発表したときの情報をざっと見た時には、これまでの(ともすると)簡易的と見えるKindleと比べて新型のDXは明らかに画面サイズの大きさから、狙っている領域が単なるペーパーバックぐらいの本「以外」を対象としている気がした。

これが489ドル、つまり日本円で5万円。コンテンツ代は別だが、通信料は込みである。それを経営が苦しい新聞業界は、ニューヨークタイムズを始めとして対応するらしい。いよいよ本当に電子新聞の発行となる。

個人的には電子新聞にはあまり興味はないのだが、例えばウォールストリートジャーナルが9.99ドル(日本円で1000円/月)という事は、日経新聞を月額1000円で読めると例えると、何より割安で読める環境として、1消費者としては大歓迎である。

しかしこれが新聞業界救済となるか?と言われるときっと「No」だろう。紙で読まないと気がすまない人達が多いに違いないからだ。

それに比べて「大学の教科書をKindle(DX)に入れてしまう」は、その意味ではかなり需要と実利が見込めそうな気がする。

Beyond being cooler and lighter than dead-tree books, if Kindle textbooks can be sold for significantly cheaper than paper textbooks -- stripping out shipping and printing costs should help -- then students have an incentive to pick the electronic copies. And publishers win by reducing the used book market.

これまでの「本」に比べて、クールで軽量となる先に、Kindleの教科書は紙の教科書に比べて、印刷費用や運送費用がかからない分、格段に安くできて、学生の電子版を使う動機となりえる。そして、出版社は中古本市場に勝つ事となる。

Amazon Testing Big-Screen Kindle With Six Universities (AMZN)

つまり、利用者である学生のメリット、出版社のメリット、Kindle(DX)のメリット、それら3者が極めて綺麗にバランス取れているのである。これは素晴らしいビジネスモデルである。

考えてみると、電子ブック自体がその保存性を除いて、素晴らしく代替性を持っていて、安いし、汚れや折れといった形状変化もなく、しかも検索性も提供できるというメリットが流行らない理由がない様に見える。

「何となく買ったものが形として残らない事が気持ち悪い」のであれば、iTunes & iPodがこれほどのヒットにならなかっただろう。常に好きな音楽に囲まれていたい人もいれば、常に読みたい本を手元に置いておきたい人だっているだろう。

でも日本での展開を考えると、さらに違う展開となるのではないかと思っている。

先に記したエントリ「今年のクリスマスは日本でもKindle2か?」という記事に書いた内容になるが

。「紙」の印刷と配送に大半の時間がかかっていたり、出版中継ぎ業者が市場を仕切っているため、斬新な「雑誌」が出せないかも知れない。

「R25」や「Hot Papper」の様な広告情報誌だって、印刷+流通(配送)+店頭(街頭)スペースといった「物理的制限」を取り払うと、ここだけでも意外と「ドラスティックに物事が変わる」可能性がある事が想像出来る。

時間や空間の概念を取り払うのがインターネットの本質だとすると、本にまつわる様々な概念を取り払うことでメリットを受けるのは、必ずしも教科書だけではないはずである。

出版には素人の私だが、出版のプロである小林氏は、私のような細かい話だけでなく出版業全体へにインパクトについて以下の様に記している。

これら電子ブック市場の加速にともない、伸長しそうなベンチャー・ビジネスとして、Innodata Isoge社のような電子ブック化を取り巻くアウトソーシングにチャンスがあると言えます。ほかにも、著作権の管理や法務、エージェント業務など、このあたりは今後旧来出版社とつきあいのない新進の作家(携帯小説を想起してください)を中心にニーズがあるでしょう。

電子ブックリーダー隆盛で潤うビジネスは?


音楽産業の中でCD(媒体)販売はビジネスモデルとしてこれ以上追及せず、CD(及びiTunesでの販売)をプロモーションと位置付け、ライブで稼ぐモデルが見えてきている。

本やコミックに例えると、お試し(=プロモーション)は本屋で立ち読みでも買ってもらってもいいが、安価で定期的購読はKindle(DX)でお金を得る。というモデルが出てこないだろうか。

空想でしかありませんが、黒船が既存メディアのあり様を再構築していく様子が想像できます。




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