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サイバーエージェント流 成長するしかけ - 悪戦苦闘だがリーダシップが作る人事政策



良くも悪くも、いわゆるネット系企業でうまく行っている会社の1つが、その唯一の財産である人とその成長させるためのノウハウを記している。

私は技術畑なので、これが良いのか、良いとすれば何故良いのかは説明出来ないが、例えば「キャリチャレ」といった制度の呼称から、社員と距離がなく実行されている事が分かる。そう、こうした人事制度が社員と距離なく存在しているところが制度の「あり方」の良さを表している。

なんで、この本を読んだのか?という点について、自分の記録として書くと、現在勤務している会社が様々な人事制度改革を行おうとしているのだが、正直言ってあまり良いとは思えない。検討されている制度自体なのか?それとも受け取る側の問題なのか?

サイバーエージェント社でも、成長期の通年採用者(多くは大企業から来た人)と、それらが馴染まずに、全体にシラケタ状態になっていたという記述がある。この「シラケ」が蔓延しているのが、今の私の会社なのだ。この打破の一助、もしくはその原因たる何かが分かるかも?と思って読んだ。

そういう訳で、ここに記しているのは「シラケ」の打破に関する、自己検討材料にしてみたい。

ネガティブの連鎖

中途採用者は、大企業で様々な知識はあるが業務知識はない、しかし社内ポジションは高いという人と、生え抜き社員は非常に若く、業務知識は当然豊富だが、社内ポジションを中途採用に取られた感を持っている、という2層構造と対立を生み始めた。

会社の業績も芳しくなく、社内全体がギスギスしている感じを「ネガティブ感」と言うなら、そのネガティブ感が広がる事を一番恐れるとして、3つの方向性に行き着く。このあたりのストーリーが実はノウハウなので、一番知りたい所だが、当たり前だがそこが省略されている。

以前のエントリ「不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか」では、同名の書籍に対する書評を書いたが、この中でもある意味で明確にある種の答えが書いてある。

それに近い方向性での打破として「社員同士のつながりが希薄だった」として問題点としている。

この本では、それらの対策として、呑み会・部活動・社内報といった「共通項作り」を上げている。つまり、人となりを知る・顔を知る、という不機嫌な職場を払拭するための施策を実施しているとある。これは他社も真似出来そうな事柄ばかりだ。

ビジョン策定を通した真水の議論

会社の方向性が見えないとか、ビジョンが見えないといった話は、企業経営の常につきまとう問題らしく、様々な本や講演で聴くことがある。

ビジョンや考えを明確にする意味で、経営陣が一泊二日の合宿で検討した、とある。つまり、ここでは役員同士が、自らの経験や議論を通して得られた様々なバックボーンと、真剣な議論があったものと思う。

役員合宿と聞くと、担当課長(部長)が前日までに徹夜で資料を作り、役員が読み上げ、全然分からない他役員が見当違いに突っ込みを入れたり、本筋でない細かい部分を執拗に突く……なんて、昔のニッポン株式会社みたいな生ぬるいものではないだろう。

こういう議論の真剣さは議論の結果を通してだったり、話す口ぶりとかから、社員に何となく伝わっていくものだろう。

その結果が同社の「マキシムズ」にまとめられていて、それが実に従業員と目線を合わせてあって良い感じを受けた。

いずれにしても、こうしたネガティブ感を払拭する活動を、人事やトップが積極的に行う事で、社内の雰囲気を不機嫌でなくして行っている。

さて、そうしたご機嫌(不機嫌の反対語の意味)な職場で、それを活用しながら、さらに企業競争力を上げるために、社員は社員の競争で伸ばすとある。

ある意味で、そこまで出来なければ、サイバーエージェントの真似をしてもうまく行かないという事の自信の表れ…と読んだ。

ジギョつく・あした会議・CAJプログラム

本書の第5章のタイトルと同じだが、読んでいて思うのは、こうした制度が社内で実施出来るだけのレベルに持って行く事が非常に難しいという感じを受けた。

特にネガティブ感が漂っている職場に、こうした制度だけ「コピー」してきても、絶対に旨くいかない。

* * *

この本を冷静に読み返すと、サイバーエージェントの会社宣伝本である、と言える。だからきっと良い部分だけ出しているのだろう、という言い方も出来よう。

先の私自身の目的に照らして見ると、そういう宣伝が出来る程の会社であるというのは、総じて競争力も高いと思った方がいいだろう。人事制度や様々な仕組み「だけ」が良いという、優良企業はあり得ない。

特にIT系やネット系の企業は「人」以外に財産がないと言われている。その割には「人」(社員や派遣も含めた準社員)に対しての待遇や環境に疑問を持つ企業も多い。

その意味で、本当に企業は人なりを改めて実感させる本だったと思う。



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