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iPad(iBooks)/Kindle上陸前の攘夷


Apple iBooks e-reader: First Take

iPadやKindleの日本での展開が迫っている中、日本電子書籍出版社協会という出版社31社で形成される団体が出来た。設立目的は「電子書籍における権利確保」と「紙とデジタルの共存」にあるとされている。

一方で、これはiPadのiBooks及びKindleの上陸に備えた「攘夷」と見る向きが多い。AppleやAmazonとの抜け駆け契約禁止を、権利者(著作者)へプレッシャーとしてかけるのが目的だという人がいるし、不透明な流通機構である事がバレる事を避けたいと言う人もいる。

設立時のインタビューによると


電子書籍市場によって著作者と読者がダイレクトにつながり、出版社が中抜きされる構造になることへの不安はないかという質問に対して野間氏は、「出版社の役割や価値を、著作者にどう評価してもらえるか次第。価値を認めてもらえれば中抜きされることはないと思うが、そうでなければ中抜きされるだろう」と説明。日本での電子書籍市場の拡大については、「いまのところ展望はまだ見えていないが、我々としては紙と電子の相乗効果を狙っている、紙も電子も膨らみ、パイが大きくなっていくことを目標としたい」と語った。



 出版社が新たな権利として「版面権」のようなものを確保していくことを目指すのかという問いには、「紙の時代から議論となってきたが、権利をなんとかして確保していこうという後ろ向きなことではなく、これからの事業を前向きに進めていくために、著作者の理解を得ながら検討していきたい」と答えた。

「日本電子書籍出版社協会」発足、出版31社が参加し規格など検討

出版社としては恐ろしく脅威を感じているのだろう。電子書籍に関して「語ってもならない」=タブーという風潮すらあるとの話もある。それにしても、既得権益を守るための動きは本当にドロドロしている。

それはこの特集の入口は電子書籍だったが、本質的なテーマは日本で書籍の電子化が進まない背景に再販制度や委託販売などの不透明な流通機構がある、という当事者の「内部告発」でもあったことだ。

同じような問題は日本の多くの業界にあり、特にメディアに多い。当ブログでも取り上げてきた電波利権や、いま話題になっている記者クラブ、またこのダイヤモンドの特集のテーマだった再販など、枚挙にいとまがないほどだ。それはこの業界が「互いに他のメディアを批判しない」という情報カルテルを結んでいるからだ。

こうしたタブーを破って電波利権などのテーマに挑んできた週刊ダイヤモンドも、自分の業界のタブーからは自由ではなかったわけだ。

週刊ダイヤモンドの消えた特集

こうしたタブーは、書籍の電子化の次は、新聞にも押し寄せるだろう。何もかも飲み込むインターネットの前に既得権益のみで市場を守ろうというのが通用するのだろうか?

逆に考える事は出来ないのだろうか?

逆手に取った商売とは、例えばこういう事だ。

現行の書籍販売は「紙」に印刷し、再販制度や委託販売といった流通に載せて販売している。それを紙でなく「メモリ」に印刷し、同じルートに通す。リーダーは安価で販売し、「メモリ」の売上の一部で補填する。

メモリは、勿論、強固なコピープロテクトを施していて、紙のそれよりもコピー出来なくする。

ダウンロードした方が安価で流通もシンプルに済む事は承知の上で、「開国」までの時間で、業態全体がスッキリされてしまう前に、自分たちの身の振り方を考える時間が出来るわけだ。

攘夷派が函館(五稜郭)に追い詰められるまでに、印刷屋さんはメモリ焼き込み屋さんへ、出版社は編集と電子活版屋さんへ、流通は在庫スペース開放と流通の効率化へ、本屋さんはレコード屋さんがCDショップになった様に、ブックメモリショップへと変貌していってはどうだろうか。

最終的にはそれらさえも衰退するのだろうか?本屋で知的興味をワクワクさせたり、ちょっと立ち読みしてみたり、そうした代替出来ないものもあるはずなので、全てがiPadやKindleに乗らないのではないか?と思っている。



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コメント

検索でこちらを見つけました。
電子出版の成功のキモは旧作にあると思います。
書店流通の構造からか、各出版社は新作を電子化するかどうかを優先して議論している様ですが、今まで流通されてきた数千万という書籍を再び流通させられるという、非常に大きなビジネスチャンスが到来したと感じます。
コストの問題で増刷されない本や二度と復刊されないような書籍が、ちょっとの手間で再び商品となり、しかも在庫リスクもなにもかからないというのに、なぜ躊躇する必要があるのか不思議なくらいです。
新作に関しては現状のまま緩やかに淘汰されて行くのだと思います。

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