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世の中を変える6つの事 - Y Combinatorの課題設定


Y Combinator logo

ベンチャーキャピタル(以下、VCと記す)「Y Combinator」は、昨年夏に5項目のスタートアップ企業に対する「課題」を提示した。

通常、VCはスタートアップ企業の「成果」、つまり出来たものとか考えたコンセプトとかに出資する。(コンセプトで出資は滅多にないので)何とかアイデアを形にしようとスタートアップは必死なわけである。

さて、形にするアイデアはスタートアップの命なので、それを尊重するとすると、このY Combinatorの「課題」はちょっと不思議な感じがする。まぁ、ヒントだと思へばいいのかも知れない。

では実際にその「課題」とやらを見てみる。
英語力に不安を持ちながらも意訳に臨んでいるので、間違いがあったらぜひご指摘願いたい

1. ジャーナリズムの未来

いきなり重たいネタである。印刷系ジャーナリズムは米国だけでなく日本でも厳しい局面になっている。一方で、そうしたコンテンツ自身を欲しいと思う人は増えこそすれ減ることはない。 そして、この20世紀最大のビジネスモデルの代替を押さえた「未来」が課題という事である。

2.新しいプロダクトスペース

商品棚やカタログといった、消費者が商品を認識するルートに対する、新しいアプローチというのが「課題」である。 プロダクトの空間が変われば、当然の事ながら流通ルートや決済といったものにまで波及する大きな変化となりうる。

リアルショップをメタファーとして、ITによりパワーアップしたAmazonのような形のさらに進化したものって何だろう?例えばテレビを見ていて、有名人の着ている服をクリックしてサイズを確認すれば購入、となると、もうそれはテレビでもオンラインショップでもないだろう。

3.Twitterによって出来る事 - 新プロトコルによる革新

新しいメッセージング・プロトコルであり、開拓すべき領域が沢山ある。広まっていくプロトコルは非常に少ない。例えばTCP/IT(Internet)・SMTP(e-Mail)・HTTP(Web)といったものも、実は成功した企業が開発したものだ。

Twitter自身もそう希望している様に、こうした新プロトコルをベースとして、人々がものを作っていき、VCが出資することで、優先的にTwitter Streamにアクセスできるだろう。

4.ライブビデオの新しい使い方

ポスト「テレビ」として、TVではないFacebookやHuluといったものに人々は時間を使い始めている。 こうした領域の中で、ライブビデオの領域はカバーされていない、ベンチャーとして確実性の高い領域なのではないか?

Justin.TVを見ていると、ライブビデオはYouTubeのようなレコードされたものの配信と違った(技術的に)難しい
部分を抱えていて、一方でビジネス的に厳しい。
そこでJustin.TVはAPIを公開する事でインフラを公開し始めた。これはスタートアップにとって、無料という面からも、ライブビデオ周辺ビジネスにとって好機である。

ソフトバンクもUStreamに出資するといった報道もあり、この領域は非常にホットな予感がする。

5.ハンドヘルド機器関連

デスクトップPCがラップトップPCによって置き換えられた様に、ハンドヘルドデバイスも必然的にチャンスがある。スタートアップは恐らく既存のデバイス(ハードウエア)を使うだろう。

そうしたハンドヘルドの流れの中で、次世代と言えば‥‥

このエントリの最初に「5つの課題」と書いたが、どうも後から1つ増やして6つにした様だ。その6つ目というのが、1月に発表されたiPadに関するものだ。

6. iPad アプリケーション

iPadの重要な点は、その形、つまりタブレットコンピューティングにある。Y CombinatorはこのiPadをWindowsキラーもしくはWindows代替だと見ている。 この未来に何か起きるか。きっと起きると思っている。そのうち、皆がPCでやっている事の大半がこのiPadで行われる事になり、デスクトップアプリケーションが置き換えられていくだろう。 何より、この新しいプラットフォームであるiPadは、アナログ時代には考えられなかった、新しいタイプのアプリケーションを生みだすだろう。教育やゲームは最もその機会に溢れている領域である。

課題があるとすれば、大手企業にこれをどうやって紹介するか?ですが、最初はこっそりと使い始め、そのうち企業のIT部門が無視出来なくなるという図式でしょう。いずれにしても心配ないと思います。
なぜならば、これはタブレットコンピュータだからです。


* * *

こうしてみると、スタートアップ企業だけでなく、日本のWeb業界にとってもoppotunity(機会)である事が容易に分かる。

「1. ジャーナリズムの未来」という意味では、ライブドアの「TechWave.jp」が興味深い。少なくともWebメディアでビジネスをする場合の1つの指標となると思う。
つまり、小規模・ニッチだが深い=ターゲットが明確というメディアが立ってくる。道具はブログとTwitter。

「2.新しいプロダクトスペース」はノーアイデアなのだが、AR(拡張現実)まで視野を広げると胎動は見られる。

「3.Twitterによって出来る事 - 新プロトコルによる革新」は、もう既にTwitterをメッセージ基盤としたサービスが乱立している。私自身も、仕事でこの一翼を担う事になるが、ここでの広がりは「新プロトコル」にある。つまりプロトコルであるとした使い方は、まだあまりないかも知れないので機会は沢山ある。

「4.ライブビデオの新しい使い方」は、私自身も最も可能性を感じる部分である。既存のメディアのうち、新聞や雑誌というpublishはウェブの代替が進みつつあるが、個人ベースの思いもよらないライブビデオには可能性を感じる。

「5.ハンドヘルド機器関連」「6. iPad アプリケーション」は、iPadを視野に、もう既に着手している人達が沢山いるだろう。ダンボールのモデルを眺めながら、使うシーンのアイデアを練っているに違いない。

さっきと同じ事を書いてしまうが、これらは日本のWeb業界にとっても、ひょっとして私個人にとってもoppotunity(機会)なのかも知れないと受け取った方がいいと思う。



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