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「僕が見るんだよ!」 - Macintoshと古代ギリシャのフィディアス


デザイナーvs.エンジニアのバトルはMacintoshでも起きていた
ちょっとうっかりしているうちに、1ヶ月近くもブログ更新してませんでした。ちょっと気が向いたので、Gizmodeさんの記事をネタに書いてみたいと思います。


思い出すと、2001年にApple社主催のWWDCという開発者会議が、サンノゼで開催されました。当時はAppleにSteve Jobs氏がCEOとして戻ってきていて、Mac OS Xが発表されたばかりのタイミングでした。


当時のWWDCのメイン会場がサンノゼにあるシティホールという非常にローカルな会場で、周辺の施設に分散しながら開催された事を覚えています。


日本からの参加者は意外と多く、1つのホテルに割と集まっていた気がします。そこからCalTrainという電車に乗ってサンフランシスコまで遊びに行ったりしました‥


今はWWDCのチケットは数時間で売り切れる程の規模となっていて、とても規模を比較出来ないのですが、2001年当時は、Japanセッションという日本人向けの時間があり、今はマクドナルドの社長になっている方が、壇上で日本人参加者を前に、様々なデベロッパサポートの話をしていました。


さて、そうした話の中でも私が未だに自慢しているのは、最終日にApple社キャンパスの中庭で、Apple社のエンジニアを囲んで呑むという交流パーティがあり、Apple社のキャンパスに入った事です。


さらに自慢すると、Apple社のキャンパス入り口に、確か「Our Founder」と書かれた「Apple I」の基盤が展示されていた事を思い出します。そう、無骨な回路基盤です。



最近入社したアナログ・エンジニアのジョージ・クロウが、スティーブに反論しました。「PCボードの見た目なんか、誰が気にするんだよ? 大事なことはただひとつ、どれくらいちゃんと動くかだ。誰もPCボードなんか見るわけない。」

スティーブが強く言い返します。「僕が見るんだよ! 僕は、PCボードだってできるだけ美しいものにしたいんだよ、たとえそれが箱の中にあったってね。素晴らしい大工なら、キャビネットの裏側にだって悪い木は使わない、誰もそんなところ見なくても。」

デザイナーvs.エンジニアのバトルはMacintoshでも起きていた

そう、自分の関わる仕事である以上は、誰も見ない所にも最大限の努力をする。特に「美しさ」という点においては、何者にも優先する。

そんな姿勢が見えた気がした会話です。

確かに(当時の)Sun Microsystemsのメンロパークにある(当時の)本社に行った事がありますが、Apple社の本社の方がずっとキレイでした。

こうした話を見て、ドラッカーの言葉を思い出しました‥‥‥

ドラッカーの必ず語るストーリーの中に、古代ギリシャの偉大な彫刻家であるフィディアスの、次のような逸話がある。


フィディアスは、西暦440年頃に製作した、アテネにあるパルテノンの上部の彫像に関して、アテネ市に請求書を出したところ、その支払いを拒否された。会計担当者が言うには、「あんな高い所にあって、正面の一部しか見ることができないのに、あたかも裏も表も全部見えるがごとく計算して、その分まで請求しているが、それは不合理である。誰も、そんな全部見えはしないのだから」というのが理屈である。しかし、これに対してフィディアスは、「とんでもない、神様は全部見ているのだ」と答えたという。

絶えずよりよきものを追求していく存在でありたいと語るドラッカーの言葉とされているが、先の基盤デザインに対するやりとりは、Steve Jobs氏もあくなき追求者だった事を物語っている。







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