リアルタイムウェブ 「なう」の時代 - 現在のウェブの分かりやすいまとめ



Web2.0ブーム以降のウェブの状態や重要トレンドについて非常に分かりやすく説明している本です。

長くPolar Bear Blogを書いていて、ウェブなどのトレンドをずっと見てきた方のまとめたものなので、角の尖ったウェブ論を展開すると言うよりも、現在のトレンドとそれが起きた必然性について解説しているというものです。

この本を読んで思った事として、今後の重要トレンドを見る上で、Web2.0ブームによって何が起きたのか、何が出来るようになったのか。このあたりの押さえが非常に重要だと実感しました。

Web2.0の後継者

Web2.0ブームの立役者は数ありますが、ブログがその中心であった事は事実だと思います。今でもブログは利用者や記事数が拡大していて、ウェブの基盤である事も事実だと思います。

そのブログサービスに内在していた以下の3つの要員が、それぞれ大きなトレンドの中心軸となります。

さらに、タイムスパンとして、Twitterの登場で「リアルタイム化」が加速され、情報の瞬間償却が起こり始めます。

  • クラウドコンピューティング
  • モバイル(スマートフォン)
  • ソーシャル(ソーシャルグラフ)

それぞれが単独の軸であるわけではないのですが、今後を読み解く上での重要さはこの3要素が複雑にDNAに入り込んだサービスとなるでしょう。

そうした3要素が及ぼす影響の1つとして、それまでの隆盛が没落に向かう事さえあります。その1つが次の例でしょう‥‥‥

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電子的な読書経験 - まだこの領域でさえ活路はある


Bezos: Kindle and iPad are separate devices
私の勝手なイメージなので、特に根拠があって言っているわけではないが、米国においてはかなりの速度で書籍の電子化が進んでいるのではないか、と思っている。


出張等で北米に行った人が言うには、機内でも都心のカフェでも、Amazon社のKindleや(出始めの)iPadで書籍を読んでいる人を多く見かける、という話だ。正確にはKindleは書籍を読んでいる可能性が高いが、iPadはそうでないかも知れない。

電子書籍リーダ機としてどちらの機器も、様々な研究や実験を通じて最良だとされたことだろう。だが、研究によるとまだまだ足りないらしい。



It turns out, according to the study, that the iPad was generally faster than the Kindle at reading speed -- about 6.2% slower than reading a normal book, compared to the Kindle's 10.7% slower than the printed word.

【意訳】
研究によると、Kindleが印刷本より読む速度が10.7%遅いという結果に比べて、iPadの方が普通の印刷本を読むより(読む)速さが約6.2%遅かった事が判明しました。

Reading a book is faster than reading an iBook

記事では要するに普通の本に比べてKindleもiPadも、読書スピードという点では遅くなる。つまり、どちらも紙の本に比べて読みにくいという点と、原因としてこうした機器で読書したり、機器操作に慣れていない事も要因として挙げている。

つまり、慣れればそれなりの速度で読めるようになる、という楽観的な話ではなく、実はまだ進化の途中なのではないか?と思うのも自然だろう。
そう、まだまだユーザビリティ・操作性・視認性‥などの様々な部分でやるべきことは沢山あるという事だ。これは何を意味しているのか?は自明の事だと思うが‥‥‥

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iPadが教えてくれたこと - 欲しいのは体験だけ


HPがiPadから学ぶべき3つのこと?Appleの失敗からも前向きに学ぼう

iPadがものすごい勢いで売れているという話をあちこちで見かける。早くも、今年最大のヒット商品だ!という話もチラホラ。

私自身も「使ってみたい」とか「やはり使ってみないと分からない事が」と思っているが、「一体何に使うのか?」がハッキリしないので踏み切れないでいる。

この事は単なる買わない言い訳ではなく、ある意味で本質的な事を指している気でいる。つまり、iPadは素晴らしいUIを備えた『コンテンツ再生機』なのである。

いつも呼んでいるTechcruch Japanの記事に本当にいい事が書いてあったので、思わずサボっていたこのブログ更新をしてしまったほど、『はっ』と気がついた。

実は、iPadでeブックを熱心に読んでる人は少ない。iBooksやKindle Storeで1?2冊は買うけど、それは物珍しさで買ってみるだけだ。そしてその人は、自分がちょっと高級な人間になった気分になる。eブックを読むことが…実は読まなくても…、iPadを買う口実や言い訳になったりしている。だからHPも、eブックをwebOSスレートのメインの機能として訴求すべきだ。
HPがiPadから学ぶべき3つのこと?Appleの失敗からも前向きに学ぼう


ここがポイントだという気がする。最良のUIを備えようと『再生するコンテンツ』がなければ、本当にただの「板切れ」なのだ。

この記事でも示している通り、ここに気づいたタブレットメーカー(提供者)は次に何をすべきかが見えてくるはずだ。それは‥‥‥

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「裸でも生きる」 - 夢を実現するまでの現実的記録


以前から興味があったものの、なかなか手にしなかった本だが、読み始めてあまりの強烈さに本当に驚いた

こんな人が世の中にいたのか!という感じと、マジメモードで言うと「自分の夢を実現させるためには、どれだけの涙が必要なんだろうか?」という率直な感想だ。

ソーシャルアントレプレナーという新しい概念が出ていて、ビジネスで世の中を良くしていこうという、企業理念としては真っ当中の真っ当、正真正銘の王道という企業が出てきている。

この本で述べられている「マザーハウス」もその1つだろう。
筆者はこのバングラデシュ製バッグの製造・販売ビジネス立ち上げ、「マザーハウス」設立、それらを通じてバングラデシュを援助(というか国らしく)していこうというコンセプト。
その前にある若干25歳の人生の流れが、まさに想像を超えた「壮絶」なものなだけに「本当にこんな人が‥いるんだ‥」と思うのだ。

まず、いわゆる行動派の人なんだが、行動してから気付いたり足りない点に気づき、後から修正していく。これが行動派の行動派と言われるゆえんだ。

逆のパターンの伸張派だとして、考えに考えぬいて、計画を立て、事前調査を十分過ぎるほどやったとしたら、バングラデシュの大学院に行ったりビジネス起こしたりしないだろうし、偏差値40から慶応大学なんか受けなかっただろうし、中学から高校での柔道部へ入部しないだろうし‥‥。だから読んでいてビックリするを通り越していて「ノンフィクション小説」を読んでいる様に感じてしまう。

前のエントリで「20歳のときに知っておきたかったこと」というベンチャー育成プログラムの本の感想を書いたのだが、この本「裸でも生きる」もベンチャー企業起業の物語である。

全くの偶然にこの2冊を順番に読んだのだが、これらには実は関係性があったと気づいた………

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「20歳のときに知っておきたかったこと」から分かったこと


もう48にもなると、20の時に知っておけば…なんて事は山の様にあって、20の時にこんなだったら…なんて思う事も山ほどある。


例えば、私が就職した25年前にパーソナルコンピュータが十分に使い物になっていれば…とか、インターネット接続が出来ていたら…なんて事は山の様にある。


この本は、実は、年齢や「たら」「れば」の話は全く関係なく、その時にあったらなぁ…と思うものが今あるのなら、既成概念なんてどっか置いて、今 チャレンジすればいいのだ、というストーリーで、超ポジティブが全面にあふれている。

以降、私がなるほどと関心した事を散文の様に書いてみたい。

  • 問題を解決するには、問題の明確化が必要。問題が明確に定義出来れば解決策はおのずと明らかになる。これは問題の大きさによらない、原則である。
  • 数々の成功したリーダの共通する特徴から見ると、成功を阻む最大の壁は自己規制。「並外れた業績を達成した人々の最大の見方は、ほかの人達の怠慢である」
  • 宝くじは買わない人には当たらない(チャレンジしない人には成功がない)
  • その国(地方)のリスク許容度によってベンチャーなどの様にチャレンジする人の数が決まる。シリコンバレーは失敗はイノベーションのプロセスとして当然の様に受け止められている。
  • 大した風貌ではない男がいつもモテている。その男は数少ないヒットを打つためなら、どれほど空振りしても気にしない。つまり、片っ端からデートに誘って、(数少ない)イエスという娘を当てる。
  • クリエイティブな組織を作りたいなら、何もしないことは最悪の類の失敗だ。想像力は行動から生まれる。何もしなければ何も生まれない。
  • 一度決めたらミサイルの様にあくまでそれを求めるという人がいるが、物事はそんな予想通りには行かない。何度も進路を変えた末に、ようやく出会える場合がほとんど。
  • 大多数の人間が遂行できるのは一度に3つまで。海兵隊でもすべての軍隊でも4つを越えた遂行は行わない。
  • 起業家としての成功には、他の者に勝つという闘争心を燃やすよりも、自分自身の情熱をかきたてる「やる気に燃える」方がはるかに生産的。

これらから見える様に、総じてこの本は「何もしなければ、何も起きず、従ってつまらない人生になってしまうよ」という事が言えるのかもしれない。
そういう話ばかりではないのだが、それが目に付くという事は、きっと自分の中でそうした思いが(影に日向に)あるのである。

この本の本質はイノベーションの起こし方

さっきから、チャレンジ チャレンジと書いているが、この本の本質はイノベーションを起こす際のアプローチ方法(だろうと思われる内容)が書いてある。

例えば、各章のサブタイトルには次の様な内容がある。=印の後の文言は私が勝手に付けた超要約である。「自分の殻を破ろう」=固定概念を打ち破る、「みんなの悩みをチャンスに変えろ」=発想のポイント、「機が熟す事はない」=思いついた時がチャレンジの時、「早く、何度も失敗せよ」=失敗は成功の母、等々といった具合である。

こうした標語のようなものばかりかいていると、何かの啓発本かと勘違いされてしまいそうだが、内容はスタンフォードの授業で行われている、少しクレージーだが、本質をよく表している実践内容である。名物授業らしい事が書いてあるので、実際にStanford Technology Ventures Programを見に行くと、曹操たるアドバイザリボードのメンバがいる。これは恐らく本物だ。

でも改めて言うが、この本の本質は欧米的ベンチャーの起こし方だ

残念そうに書いてしまうが、ここまで書いた事を実践できる日本人は(本書の巻末の後書きにあるが)7%程度しかいないそうだ。欧米のそれは40%を越えるそうだ。これは科学的データであって、実態分析によるものではない。 つまり、仮説の域を出ないのだが、読んでいて「これは明らかに欧米向けだ」と思った事は確かである。だから、日本人的な読替を行う必要がある。

それを読み替えてみると、意外と面白い………

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iPad(iBooks)/Kindle上陸前の攘夷


Apple iBooks e-reader: First Take

iPadやKindleの日本での展開が迫っている中、日本電子書籍出版社協会という出版社31社で形成される団体が出来た。設立目的は「電子書籍における権利確保」と「紙とデジタルの共存」にあるとされている。

一方で、これはiPadのiBooks及びKindleの上陸に備えた「攘夷」と見る向きが多い。AppleやAmazonとの抜け駆け契約禁止を、権利者(著作者)へプレッシャーとしてかけるのが目的だという人がいるし、不透明な流通機構である事がバレる事を避けたいと言う人もいる。

設立時のインタビューによると


電子書籍市場によって著作者と読者がダイレクトにつながり、出版社が中抜きされる構造になることへの不安はないかという質問に対して野間氏は、「出版社の役割や価値を、著作者にどう評価してもらえるか次第。価値を認めてもらえれば中抜きされることはないと思うが、そうでなければ中抜きされるだろう」と説明。日本での電子書籍市場の拡大については、「いまのところ展望はまだ見えていないが、我々としては紙と電子の相乗効果を狙っている、紙も電子も膨らみ、パイが大きくなっていくことを目標としたい」と語った。



 出版社が新たな権利として「版面権」のようなものを確保していくことを目指すのかという問いには、「紙の時代から議論となってきたが、権利をなんとかして確保していこうという後ろ向きなことではなく、これからの事業を前向きに進めていくために、著作者の理解を得ながら検討していきたい」と答えた。

「日本電子書籍出版社協会」発足、出版31社が参加し規格など検討

出版社としては恐ろしく脅威を感じているのだろう。電子書籍に関して「語ってもならない」=タブーという風潮すらあるとの話もある。それにしても、既得権益を守るための動きは本当にドロドロしている。

それはこの特集の入口は電子書籍だったが、本質的なテーマは日本で書籍の電子化が進まない背景に再販制度や委託販売などの不透明な流通機構がある、という当事者の「内部告発」でもあったことだ。

同じような問題は日本の多くの業界にあり、特にメディアに多い。当ブログでも取り上げてきた電波利権や、いま話題になっている記者クラブ、またこのダイヤモンドの特集のテーマだった再販など、枚挙にいとまがないほどだ。それはこの業界が「互いに他のメディアを批判しない」という情報カルテルを結んでいるからだ。

こうしたタブーを破って電波利権などのテーマに挑んできた週刊ダイヤモンドも、自分の業界のタブーからは自由ではなかったわけだ。

週刊ダイヤモンドの消えた特集

こうしたタブーは、書籍の電子化の次は、新聞にも押し寄せるだろう。何もかも飲み込むインターネットの前に既得権益のみで市場を守ろうというのが通用するのだろうか?

逆に考える事は出来ないのだろうか?

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フリー - 無料=自由になるにはイノベーションが必要


German E-Commerce Brands4Friends Gives Away Free iPhone Case In Shibuya, Tokyo

以前に「FREEMIUM HACKS! − フリーはビジネスのホワイトスペースを拡大する」 というエントリーで、書籍:フリーの出版記念のイベントの話を書いた。

今回のフリーのイベントが、久々にちょっと面白いネタなので書いてみた。

記事によると、地下鉄でiPhoneのカバーを無料で配布したらしい。

当然そのパッケージには企業名などの広告が表示されている事だろうが、ゲリラ的でなおかつターゲットユーザを明確にする分だけ、効果的なプロモーションとなった事だろう。

さて、前回のエントリ「FREEMIUM HACKS! − フリーはビジネスのホワイトスペースを拡大する」 で書いた事だが、既存の有料プランから、頭を絞って「無料」にする事で、ビジネスホワイトスペースを狙う事が出来る。

つまり、フリーは自由になるためのイノベーションであるとも言えるだろう。

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iPad発売に備える - 開発者が倍増して待つ4月


New iPhone OS projects started in Fulrry

iPadが米国では既に予約販売が開始され、日本では4月末の発売予定日となり、いよいよ期待されたモノが発売されるワクワク度が上がってきた。

そうしたワクワク度は、iPhoneユーザや購入予定者だけでなく、ビジネス機会と捉えるデベロッパーも急増しているという話である。

上にあるグラフにある通り、文字通り倍増しているのがiPhone OS上のデベロッパー数である。これはFlurry という分析機関による発表なのだが、いかにiPad向けアプリを大きなビジネス機会と捉えているのか?というわかりやすい指標である。

折しも全米最大のイベントSxSWが開催されている中で、スタートアップ企業はiPhoneだけでなくiPadにも絶好の機会として大注目している事だろう。
特に今年は位置情報が注目されていて、携帯電話(実態はスマートフォン)が、位置情報と関連させてさらにインテリジェント化させていくという話なのだが、iPadとて例外ではない(きっと)。

特に一般的に期待されているものとして、新聞メディア・ゲーム・電子書籍などが挙げられている。つまり「最初に定期購読を得られれば、その後に乗り換える人も少ないだろう」心理で、殺到する事請け合いだろう。

どんな機会があるのか? iPhoneだけでなく表示領域が大きいだけでなく、PC代替の可能性も高いiPadにおいて、自分の領域での可能性を考える非常に良い機会だと思う。

そして、考えるだけでなく、実際に開発してみるという流れが「倍増」となっているのだろう。

私見で恐縮だが、さらに驚きの事実が‥‥あのFacebookのソーシャルアプリよりも‥‥

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サイバーエージェント流 成長するしかけ - 悪戦苦闘だがリーダシップが作る人事政策



良くも悪くも、いわゆるネット系企業でうまく行っている会社の1つが、その唯一の財産である人とその成長させるためのノウハウを記している。

私は技術畑なので、これが良いのか、良いとすれば何故良いのかは説明出来ないが、例えば「キャリチャレ」といった制度の呼称から、社員と距離がなく実行されている事が分かる。そう、こうした人事制度が社員と距離なく存在しているところが制度の「あり方」の良さを表している。

なんで、この本を読んだのか?という点について、自分の記録として書くと、現在勤務している会社が様々な人事制度改革を行おうとしているのだが、正直言ってあまり良いとは思えない。検討されている制度自体なのか?それとも受け取る側の問題なのか?

サイバーエージェント社でも、成長期の通年採用者(多くは大企業から来た人)と、それらが馴染まずに、全体にシラケタ状態になっていたという記述がある。この「シラケ」が蔓延しているのが、今の私の会社なのだ。この打破の一助、もしくはその原因たる何かが分かるかも?と思って読んだ。

そういう訳で、ここに記しているのは「シラケ」の打破に関する、自己検討材料にしてみたい。

ネガティブの連鎖

中途採用者は、大企業で様々な知識はあるが業務知識はない、しかし社内ポジションは高いという人と、生え抜き社員は非常に若く、業務知識は当然豊富だが、社内ポジションを中途採用に取られた感を持っている、という2層構造と対立を生み始めた。

会社の業績も芳しくなく、社内全体がギスギスしている感じを「ネガティブ感」と言うなら、そのネガティブ感が広がる事を一番恐れるとして、3つの方向性に行き着く。このあたりのストーリーが実はノウハウなので、一番知りたい所だが、当たり前だがそこが省略されている。

以前のエントリ「不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか」では、同名の書籍に対する書評を書いたが、この中でもある意味で明確にある種の答えが書いてある。

それに近い方向性での打破として「社員同士のつながりが希薄だった」として問題点としている。

この本では、それらの対策として、呑み会・部活動・社内報といった「共通項作り」を上げている。つまり、人となりを知る・顔を知る、という不機嫌な職場を払拭するための施策を実施しているとある。これは他社も真似出来そうな事柄ばかりだ。

ビジョン策定を通した真水の議論

会社の方向性が見えないとか、ビジョンが見えないといった話は、企業経営の常につきまとう問題らしく、様々な本や講演で聴くことがある。

ビジョンや考えを明確にする意味で、経営陣が一泊二日の合宿で検討した、とある。つまり、ここでは役員同士が、自らの経験や議論を通して得られた様々なバックボーンと、真剣な議論があったものと思う。

役員合宿と聞くと、担当課長(部長)が前日までに徹夜で資料を作り、役員が読み上げ、全然分からない他役員が見当違いに突っ込みを入れたり、本筋でない細かい部分を執拗に突く……なんて、昔のニッポン株式会社みたいな生ぬるいものではないだろう。

こういう議論の真剣さは議論の結果を通してだったり、話す口ぶりとかから、社員に何となく伝わっていくものだろう。

その結果が同社の「マキシムズ」にまとめられていて、それが実に従業員と目線を合わせてあって良い感じを受けた。

いずれにしても、こうしたネガティブ感を払拭する活動を、人事やトップが積極的に行う事で、社内の雰囲気を不機嫌でなくして行っている。

さて、そうしたご機嫌(不機嫌の反対語の意味)な職場で、それを活用しながら、さらに企業競争力を上げるために、社員は社員の競争で伸ばすとある。

ある意味で、そこまで出来なければ、サイバーエージェントの真似をしてもうまく行かないという事の自信の表れ…と読んだ。

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Googleの全貌 − Googlerの考え方やコンセプトがよく分かる



2010年になり、お正月の間に読んだ本の紹介から書いてみたい。

昨年から引き続いているWeb Squaredはまた再開するが、ちょっとの間は、それらに関連する事を書いてみたい。

Googleを外部からだけでなく内部からも掘り下げた本

Googleに関しては、様々な記事や報道がされているので、改めて本にまでする内容もないのではないか?などと思っていたが、書店でちょっと手に取ってみると、各種のインタビューからなる章もあり、興味をそそられた。

最初の方にあるマリッサ・メイヤーVPに対する検索のインタビューなど、これまで日経コンピュータ誌上や、オンラインにて読んだかも知れないと思わせるものが前半の導入部にあるので、ちょっとハズレを疑った。

断片的に日経コンピュータ誌やオンラインで語られたものの総集編という面が大きいので、その意味での新鮮さは多少薄れる。だが、断片的に見てきたものを「通し」で読んでみると、意外と筋の通った話が見えてくるから不思議だ。

21世紀型のコンピューティングとは?

私も共感していた部分のみをネタバレっぽく書いてみると、Google Chorome OSと呼ばれるWebを中心に考えているOSだが、これまでの「ネットにつながったPC」という概念ではMac OSやWindowsといった、単体でフル機能が必要となるだろう。

だが、クラウドでの機能や性能向上、さらには(日本では特にそうだが)ブロードバンドによる回線帯域の増大によって、大抵の家庭にあるPCは「フル機能は必要ない」。さらに言えば、ネットの向こう側にあるクラウドと一体化してこそ、21世紀のPCたり得るのではないだろうか?

その答えの1つがChorome OSという事だったり、Androidだったりという事で、非常に分かりやすい図式なのである。特にAndroidのインテントという概念というか実装は、そうしたクラウドの資源を背景とした21世紀コンピューティングの姿をすごく感じる。

もう1つ私もインターネットに関わる企業のそれなりに会社の事を考える立場から見ると、第五章にある「グーグル気質」と題した部分が非常に気にかかった。………

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